代打の新井様 またライアン仕留めた! 鯉を救った九回同点二塁打

 「ヤクルト3-3広島」(9日、神宮球場)

 広島・新井貴浩内野手(40)が代打で同点二塁打を放った。1点を追う九回1死三塁。7日に代打逆転3ランを浴びせた小川から左中間を破り、またしても大仕事を果たした。チームは3点差を追いついて今季2度目の引き分け。10日からは本拠地マツダスタジアムに戻り、DeNAと前半戦最後の3連戦を戦う。がっぽり貯金して首位独走ターンじゃ!

 左中間を破る白球を見つめながら、新井は駆け出した。懸命に腕を振り、一塁を蹴り、二塁でニッコリ。土壇場の九回、千両役者がまたしても大仕事だ。歓喜に沸くベンチへ、手を叩いて応えた。

 「安部が先頭で出て、会沢が送ってくれたので何とかしたいと思っていた。準備だけはしっかりしていた」

 代打逆転3ランを放った7日と同じようなシーンだった。1点ビハインドの九回、マウンドには2日前と同じ小川が立っていた。それでも「それはそれで終わったこと。今日は今日でこの打席に入ろう」と自然体。安部が先頭で安打を放ち、ネクストバッターズサークルに背番号25が姿を見せると、球場全体は異様な雰囲気に包まれた。会沢がバント、安部は三盗を決めて1死三塁。舞台は整った。最後は集中力MAXの新井が獲物を仕留めるだけだった。

 「さすがに興奮状態だったね。あまり寝付けなかったよ」

 劇的弾から一夜明けた8日、球場入りした新井は言った。プロ19年で、通算313本塁打。数々の劇弾の中でも「あまりない」という格別な1本だった。

 その日は後輩たちの奮闘にも、胸を熱くしていた。7月に入り、高校野球の地方大会が真っ盛り。8日に広島大会が開幕し、母校・広島工は崇徳と対決した。練習前には「どうなった?」と興味津々。練習後に敗退を知ると「残念というより、一生懸命やった結果だからしょうがない。いい思い出になると思うよ」と優しいまなざしを送っていた。

 代打という勝負どころで、ますますベテランの存在感が際立つ。緒方監督は「大事なところで、素晴らしい1本を打ってくれた」とねぎらった。同一カード3連戦3連勝はならなかったが、3点差を追いついての引き分けは価値がある。

 新井は大粒の汗を滴らせて、「最後まで諦めない。いつも通り」と繰り返した。前半戦は残り3試合。10日からはマツダスタジアムでDeNAと戦う。首位独走へ、本拠地に戻ってラストスパートだ。

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