誠也「お母さん、やったよ」感謝のV弾 “セ界一”孝行息子30打点

 お立ち台の上で野間(右奥)からドリンクをかけられる鈴木(中央)
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 「広島8-1巨人」(14日、マツダスタジアム)

 母の日に最高のプレゼントを届けた。広島の鈴木誠也外野手(22)が、同点の六回に左翼スタンドへ豪快な決勝8号2ラン。頼れる男が2試合連続の決勝打を放ち、4番の仕事を果たした。打線は12安打8得点で本拠地7連勝を飾り、3カードぶりの勝ち越しを決めた。首位・阪神とのゲーム差は1・5と変わらないが、この勢いのまま突っ走る。

 美しい放物線を描いた白球は、左翼席の鯉党のもとに着弾した。真っ赤に染まったマツダスタジアムが、この日一番の歓喜に包まれる。鈴木の決勝8号2ラン。支えてくれる人へ、感謝を込めたこん身の一発だった。

 「前の打席でスライダーを狙っていた結果、ガツガツいき過ぎた。次は力まずにいこうと思って打席に入ったら、ああいう形になった。狙ってはいないですけどきょう、(本塁打を)打てたらいいなと思っていました」

 同点の六回1死一塁。2打席目に三ゴロに仕留められた田口のスライダーを狙い澄ました。フルスイングした打球は失速することなく、左翼スタンドの上段へ。試合の流れを一気に呼び込んだ。

 主砲の一打で鯉打線に火が付いた。七、八回は集中打で得点を重ね、終わってみれば12安打8得点の快勝。リーグトップの破壊力を誇る打撃陣が圧倒し、今季の巨人戦成績を7勝1敗とした。

 この日は母の日。カーネーションと同じ色のピンクのリストバンドを着用し、登場曲には女性シンガー・AIの「ママへ」を使用。打席に入る際には「ママへ生んでくれて感謝しているよ」という歌詞が流れ、温かい雰囲気が球場を包んだ。

 特別な日に立ったお立ち台。「本当にここまで育ててくれてありがとうと伝えたい。東京でテレビを見ていると思うので、良かったです。東京にいるお母さん、きょう俺やったよ」と、母・貴美江さんに感謝の言葉を贈った。

 30打点はエルドレッドや巨人・阿部を抜き去り、リーグ単独トップに立った。勝負強い打撃で4番の役割を果たす鈴木。緒方監督は「4番打者がしっかりと仕事をしてくれた。集中力を持って打つべき球をしっかり捉えてくれている」と目を細めた。

 チームは本拠地7連勝を飾り、3カードぶりの勝ち越しを決めた。首位・阪神には1・5ゲーム差で追走する。「(打撃の)状態も少しずつ上がってきているので、いい感じです」。絶好調の背番号51が、チームを首位再浮上へけん引する。

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