野村、胸張れ8回1失点 気迫はG菅野に負けてない!

 「広島0-1巨人」(25日、マツダスタジアム)

 広島の野村祐輔投手(27)が1球に泣いた。四回にマギーに決勝点となるソロ本塁打を被弾。今季最長となる8回を5安打1失点、110球の熱投を見せたが、打線の援護に恵まれず今季初黒星を喫した。チームは今季3度目の完封負けで、2位・巨人に0・5ゲーム差に迫られた。

 必死に耐えた。表情ひとつ変えずマウンドに立ち続けた野村。打線が思うように菅野を打ち崩せない中、粘り強く投げ込んだ。だが、その結果はわずか1球、痛恨の一発に沈んだ。

 悔しさをにじませたのは四回。2死走者なしから、マギーを打席に迎えた。「勝負にいったんですけど…」。カウント1-1からの3球目、真ん中に甘く入ったカーブをすくい上げられた。高々と舞い上がった打球は左越えの先制ソロ。無情にもこれが決勝点となった。

 今季2度目となるエース・菅野との投げ合い。前回11日の東京ドームでは5回4安打3失点で、勝ち負けは付かなかった。今季最長の8回を5安打1失点。今季最多110球の熱投。だが、打線の援護に恵まれず今季初黒星を喫した。「チームが勝てなかったので本当に悔しい。それだけ」と唇をかみしめた。

 エースのジョンソンが体調不良で不在の中、開幕からローテを守り続ける右腕。先発投手キャプテンに就任し、投手陣の軸としての自覚も十分ある。真価が問われる6年目。「いいものは継続しようと思っている」と登場曲は昨年と同じ曲を使用。毎年、グラブには変化を加えていたが、今年は形やサイズ、色などを変えなかった。

 道具で唯一変更したのは練習用グラブだ。出身地の岡山にちなんで桃太郎のイラスト刺しゅうを入れているが、今季は「日本一」と書かれたこいのぼりを追加。答えはひとつ。「日本一になりたいから」-。

 緒方監督は「あの1球だけでよく投げてくれた」と高評価。畝投手コーチも「先発としての役割を果たしてくれたし、粘り強く投げてくれた。ジョンソン不在の中、これからもしっかり投げてほしい」と変わらぬ信頼を口にした。

 チームは今季3度目の完封負けで2位・巨人との差は0・5となったが、シーズンはまだ始まったばかり。野村が投手陣の先頭を走り続け、勝利だけを求めて右腕を振る。

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