ドラ1加藤「真向勝負」で1年間1軍 横山竜士氏とスペシャル対談

 ディフェンディングチャンピオンとして今季を迎える広島は、ドラフトで6人を指名し、戦力補強した。中でもドラフト1位・加藤拓也投手(22)=慶大=は、即戦力として大きな期待を背負っている。新人右腕の本音に広島OBのデイリースポーツ評論家・横山竜士氏(40)がスペシャル対談で迫った。

  ◇  ◇

 対談を前に、加藤と横山氏が書き初め。加藤はプロ1年目での意気込み、横山氏は加藤へのエールを書いた。

 加藤「書き初めは中学以来です。自分の投球スタイルにします」

 (しばらく考え込み、加藤は「真向勝負」。横山氏は「挑戦」と書いた)

 加藤「1年間通して、1軍で戦える投手になりたいと思います」

 横山「1年間通して活躍するのは大変なことだと思うよ」

 加藤「体力的には、問題ないと思います」

 横山「150キロを超える真っすぐを投げるけれど、自信は」

 加藤「あります。一番は真っすぐを中心に練習にも取り組んできたので。自分の持ち味かなと思います」

 横山「真っすぐを生かすためにも、変化球が大事になるけど、変化球で自信があるのは」

 加藤「変化球はカーブとフォークの2種類しかないです。どちらかといえば、フォークです」

 横山「加藤君が思う理想の投手像というのは」

 加藤「小さい頃に野球を見ていて、力と力の真っ向勝負といいますか、そういうのを見ていて楽しかった。自分も直球で押していって、三振を取れる投手になっていきたいです」

 横山「投球スタイルとかでいうと、プロの中では誰が理想の投手」

 加藤「動画などでよく見ていたのが、ソフトバンクのサファテ選手。投球フォームとか参考にしました」

 横山「やはりオーバースローの本格派が理想」

 加藤「そうですね」

 横山「テレビとかを見て憧れの選手とかいた」

 加藤「東京出身なので巨人戦を見ていました。元々、投手ではなかったので、松井秀喜選手はすごい好きでした」

 横山「松井さんが好きというのはいつ頃かな」

 加藤「小学2年生の頃くらいです」

 横山「じゃあ、松井秀喜さんが現役で、俺がバンバン打たれているところも見ていたんだね(笑)。元々捕手だったと聞いたけど、いつから投手を始めたの」

 加藤「高校1年の秋からです」

 横山「その当時に手本とした投手は誰かいた」

 加藤「いないです。それぞれの投手のいいところなどは見ていましたけど、誰かをまねするとかはなかったです」

 横山「例えば、どの選手を見ることが多かった」

 加藤「メジャーリーガーのキンブレル投手(レッドソックス)のフォームはよく見ていました」

 横山「外国人選手を参考にすることが多いんだね。来シーズン、メジャーに同級生の大谷が挑戦するという話もあるけれど、将来的にはアメリカでやってみたいという気持ちはある」

 加藤「今のところは全然分からないです。自分の中で選択肢の中に入ってきたら考えようかなと思います。今行きたいということはないです」

 横山「改めて、ドラフト会議でカープに1位指名されたときの心境は」

 加藤「優勝したチームから選んでいただけた。すごい光栄だと思いました」

 横山「入団会見で広島に来たけれど、街の雰囲気など広島はどうだった」

 加藤「初めて来ました。街もきれいで、いいところだなと思います」

 横山「昨年は、カープが25年ぶりにリーグ優勝したけれど、テレビとかで見ていた」

 加藤「見ていました。すごく強かったなという印象です。熱いといいますか、ファンの方もすごい盛り上がっていると思いました」

 横山「若い選手が多いけれど、チームの印象はどうかな」

 加藤「投手のレベルが高くて、守備もすごくいいです」

 横山「緒方監督と何か話はした」

 加藤「ドラフト直後にお会いして、『期待しているから頑張れ』と言われました」

 横山「緒方監督を初めて見たときはどんな印象を受けた」

 加藤「すごく体が大きかったです」

 横山「チームには昨年、飛躍的な活躍を見せた同級生の鈴木誠也がいるけれど、面識はあるの」

 加藤「鈴木選手は中学生の頃対戦したことがあると思います。有名ですごい選手だったので、一方的に知っています」

 横山「同級生で先にプロ入りした選手は意識したりする」

 加藤「同級生がプロで活躍する姿は、テレビ越しで見ているだけだったので、まだ同じ舞台でやるという実感はないです。ですが、入った以上は大卒、高卒は関係ないと思うので、あまり気にしません」

 横山「これから始まる1年目のシーズン。まだ起用法は決まっていないけど、やっぱり先発でいきたい」

 加藤「先発にこだわりはないです」

 横山「例えばシーズンが始まって、大瀬良や戸田など先発争いがし烈になったときに『加藤、リリーフやってくれ』となった場合、リリーフの経験はある」

 加藤「大学時代に中継ぎや抑えをやった経験があります」

 横山「リリーフに対する抵抗はないんだね」

 加藤「はい。リリーフをやれと言われて、先発で投げたいと言ってもチャンスをもらえないと思うので。出られるところでしっかりやりたいと思います」

 横山「プロで対戦したい打者はいる」

 加藤「1学年上で大学の先輩、日本ハムの横尾さんと対戦してみたい。大学時代は勝負するということはなかったので。プロはすごい打者ばかりなので、全員とやってみたいです」

 横山「1年目の目標を挙げるとしたら」

 加藤「1軍でけがなく1年間終われたらいいと思います。ドラフト1位で入団して期待してもらっている。それに応えないといけないと思うので」

 横山「プロでやっていく上で不安な部分というのは何かあるかな」

 加藤「ストライクゾーンが狭くなると聞きます。本当に狭くなるんですか」

 横山「確かに外は狭くなるかな。外をうまく打つ打者が多いから、どう克服していくかが大事だと思うよ。これからプロに入っていく中で、新たにチャレンジしてみたいことはある」

 加藤「今のところはないです。このままいって、壁にぶつかってから考えてみようと思っています。プロに入れば、アマチュアと何が一番変わりますか」

 横山「マスコミ対応が変わってくると思うよ。こうやって取材を受けるとか、ドラフト1位で入ってテレビとかいろいろメディアに出ることが多くなる。そこでの受け答えであったり、対応が大事かな。疲れている時とかでもしっかり対応しなくてはいけないよ」

 加藤「引退されて一緒にプレーすることはできなかったんですが、黒田さんはどのような選手だったんですか」

 横山「ユニホームを脱げば気さくな人だし、ユニホームを着たときは責任感が強い。選手、投手、エースというのはどうあるべきかという自分の考えを持った人。自分に厳しいので、そこで一切妥協はしなかった」

 加藤「そうなんですか」

 横山「だからこそ周りに発言もできたし、それを聞いた自分たちも黒田さんの姿を見て頑張らなくてはいけないなということを思えた。これからまだまだ周りを見てどんな選手がいるかを知って、徐々に選手というのはどうあるべきかを自分の中で作り上げていってほしい。どういう選手になっていきたいかという理想は持っていてもらいたい」

 加藤「はい。頑張ります」

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