カープ丸 セ連覇に向けて打撃改造 キャリアハイでも「上を目指して」

 広島の秋季キャンプが9日、宮崎県日南市の天福球場などで行われた。丸佳浩外野手(27)は、今秋からタイミングの取り方を変更。クイックなどへの対応力を上げるため、よりシンプルなフォームに打撃改造中だ。今季、不動の3番を担い25年ぶりの悲願へと導いた男が、新たな打撃を模索しながらバットを振り続ける。

 鍛錬の秋が始まった。秋空の下、丸が一心不乱にバットを振る。今シーズンを終えたからこそ見えてきた新たな課題。もっとうまくなりたい-。さらなる高みを目指した戦いが幕を開けた。

 「いろいろな課題が出てきた。それを改善するために、試行錯誤しながらやっていきたい。チームは優勝したけど、個人的にはもっと上を目指していかないといけないと、思っています」

 昨秋にも打撃改造した。変更点は「大きいフォーム」。タイミングを取るため、構えた位置から一度、グリップを大きく下げてから上げる形に挑んだ。今秋は「無駄なものを省くというか。動きが大きい分、ズレがあった。もう少しシンプルにしたい」。手の上下動を止め、より小さな動きの中から投手と対峙(たいじ)するフォームを模索している。

 今季は全143試合に中堅でスタメン出場。20本塁打、90打点はキャリアハイになった。だがクイックで投げられると、差し込まれやすいという課題が残った。昨秋から指導する石井打撃コーチは「どんなモーションにも対応できるように。今の投手はクイックが速いから。シーズン中から、オフには変えると伝えてあるから、意欲的に取り組めている」と説明した。

 打撃練習では、構えたときに左肘を小刻みに動かしながら投手との間合いを計る。そこから小さくテークバックを取り、スイングを開始する。挑戦を始めてまだ、間もない。納得のいくスイングはまだ先。進化を続けるために、根気強く反復練習していく構えだ。

 日本シリーズまでを戦い抜き、例年にない疲労がたまっているはず。それでも午前8時前には球場入りし、外野をランニングするなどして自主的に体を動かす。チーム屈指の練習量が飛躍へとつながってきた。今秋も妥協はない。

 「来年に向けて、しっかりとやっていきたい」。丸はシンプルな言葉に思いを込めた。リーグ2連覇を狙うチームの中心に背番号「9」がいる。ひたむきに、真っすぐに。厳しい道のりを、そのバットで切り開く。

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