ジョンソン“黒田魂”継承じゃ!才能ある鯉投の「良い見本になりたい」

 広島のクリス・ジョンソン投手(32)が6日、米国に帰国した。帰国前に取材に応じ、3年目の来季は“黒田魂”を引き継ぎ、リーダーとして先発陣を引っ張っていく決意を示した。41歳の黒田博樹投手が現役を引退。来季の先発投手陣では、助っ人左腕が最年長になる。成績はもちろん言動でも存在感を示して、チームをリーグ連覇へ導く。

 自覚が芽生えた。2年目を終えたジョンソンが、来季への思いを口にする。今季の個人成績を上回ることやリーグ連覇はもちろん、自身がリーダーとして先発陣を引っ張っていく覚悟を示した。

 「今、32歳だ。黒田さんが抜けた来季は、僕が先発陣の中で最年長になる。若い投手が多いチームで黒田さんは尊敬され、精神的支柱だった。僕も、みんなの良い手本になりたいんだ」

 2015年、レジェンドの古巣復帰とともにカープのユニホームに袖を通した。左腕にとって、この2年は特別な時間だった。メジャーで実績十分な右腕が、若手に助言を与える姿に感銘を覚えた。試合に臨む姿勢や妥協なきトレーニングにも目を奪われた。

 黒田はジョンソンについて「言葉ではなく背中で引っ張っていく選手」と言ったことがある。決して口数が多いタイプではない。だが来季からは助言を求められれば、惜しみなく自らの経験や技術、そして心構えなどを伝えていく。「黒田さんを見ることができて幸せだった。チームには若く才能がある投手が多い。できることがあれば僕も還元していきたい」と“黒田魂”の継承を誓った。

 今季は15勝7敗、防御率2・15で、外国人投手では史上2人目となる沢村賞に輝いた。勝ち星こそ14勝した昨季を上回ったが、投球回や防御率は下回り「正直、1年目ほどの数字は残せなかった」と悔しさをにじませた。6月に来季からの新たな3年契約に合意している。オフの間は肉体強化に努め、キャリアハイを目指す3年目に備える。

 5日の優勝パレードでは大きな感動をもらった。沿道を埋めたファンの温かな笑顔。オープンデッキバスから手を振る中で、リーグ連覇への思いを強くした。「たくさんの人にサポートしてもらっていたと、あらためて思った。来年も勝って喜びを分かち合いたいね」。誰よりも結果を残し、チームの底上げにも力を尽くす。責任と自覚を胸に、ジョンソンが来季のマウンドに立つ。

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