「日本シリーズ・第３戦、日本ハム－広島」（２５日、札幌ドーム）

　広島が逆転された直後の九回、試合を振りだしに戻した。安部が同点の適時打を放った。起死回生の同点打。先発で負傷降板した黒田もベンチを立ち、両手を掲げて喜びを爆発ささせた。

　試合は２－１の八回に暗転。代わったジャクソンが２死一、二塁から、中田に逆転二塁打を浴びた。２ボールからの３球目。外角のスライダーを狙われた。バットの先で芯は外したが、これが逆に災いした。左翼手・松山が必死に滑り込んで捕球を試みたが、グラブの先を抜けて後方に転々…。この間に一走・大谷が一気に逆転のホームを踏んだ。

　試合の流れは完全に相手に傾いたが、引き戻したのは「神ってる」鈴木。抑えに入った谷元に対してカウント２－２から６球目を狙った。外角高めに浮いた直球を振り抜くと、打球は右中間を真っ二つ。俊足を飛ばして一気に三塁まで到達した。続くエルドレッドが空振り三振、松山が遊飛に倒れたが、救ったのは安部。初球、真ん中高めに浮いた１４５キロ直球を強振した。強烈な打球は瞬く間に一、二塁間を抜ける。「覇気」を見せた同点打だ。「打ったのはストレート。初球から積極的にいきました。覇気でつぶしました」とコメントした。

　続く石原が四球。２死一、二塁と一打勝ち越しのチャンスを作ったが、田中のが左翼ライナーに倒れた。