広島王手!M2ついに来た、緒方監督8日マツダで舞う

 「広島5-0中日」(7日、マツダスタジアム)

 広島が25年ぶりのリーグ制覇に王手をかけた。球団初の年間80勝に到達し、貯金も1980年に並ぶ球団最多タイの33。優勝マジックは「2」。8日の中日戦に勝って、巨人が阪神に敗れると、2リーグ分立後最速タイとなる優勝が決まる。地元胴上げは目前だ。

 勝利を決めると両手を叩き、勢いよくグラウンドに出た。最前列で緒方監督が選手を迎える。成長を重ねる選手が誇らしく、目指した野球の強さを実感した。リーダーとしてチームを託した丸が、本塁打を含む3安打の活躍。優勝マジック2。球団史上最多の80勝で王手をかけた。

 「なにかいつの間にか点が入っていた感じだな」。試合後、緒方監督が静かにつぶやいた。優勝を目前にした大一番。3万1877人の大観衆を前にしても、選手は浮足立つことなく戦った。初回に相手のミスから先制。二回には会沢、田中の適時打で加点した。

 起点となったのは丸だ。初回2死から右翼前への二塁打で出塁。三回に中前打を放つと、極めつきは六回の第3打席。リードは3点。「最近、先制後の追加点がなかったから」と強い気持ちで打席に立った。初球、内角130キロのスライダーを狙った。右翼・平田が打球を見上げる。18号ソロは狙い打ちだ。

 「吉見さんの配球の中で、左の内角が多いと。狙ってみようという話だったので、思い切りよく振りました」

 打撃コーチやスコアラー、チーム一丸で生んだ追加点。新井、鈴木、松山も続き、4連打でダメ押しの2点を奪った。指揮官が言う。「我慢比べかなと思ったが、この球場の雰囲気、集中力が得点につながっているよね」。12球団トップの140本塁打に、リーグトップの109盗塁。これがカープ、緒方野球だ。

 「大舞台でいかに力が発揮できるか。つくづく思う。打席に立った時点で技術ではない。それは練習段階で終わりなんだ。気持ちの勝負をしているわけじゃない。だが、最後は気持ち。力を発揮できるか、どうかなんだ」

 本拠地では18時開始のナイターでも、9時前に球場に姿を見せる。この日も同様、監督室で相手先発の直近登板を映像でチェック。3試合前までさかのぼって配球、クセを探すこともある。その後は2軍戦チャートで、自軍戦力を細かく把握。水本2軍監督と次の昇格候補、育成方針などを話し合う。力の限りを尽くして日々、チームと向き合ってきた。

 新井の通算2000安打に、黒田の日米通算200勝。球団史上初の年間80勝と、記録ずくめのシーズンは、記録締めがふさわしい。90年の巨人に並ぶ史上最速タイの地元胴上げ。「明日ここで決めたい」と丸。緒方監督も「このマツダでなんとかという思いがある」と気を引き締めた。さあ行こう-。25年ぶりのゴールテープは目の前にある。

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