新井弾!広島25年ぶり優勝も100打点も「M3」打点王にまっしぐら

 「広島4-1中日」(6日、マツダスタジアム)

 必ず地元で優勝を決める!広島・新井貴浩内野手(39)が三回、チーム4点目となる18号ソロを豪快にバックスクリーンへ運んだ。二回には好走塁で先制のホームに生還するなど、この日も躍動。2位・巨人が勝ったため、優勝へのマジックは1つ減って「3」に。最短Vは本拠地で迎える8日・中日戦。鯉の猛進は止まらない。

 バットを振った瞬間、確信はあった。高々と舞い上がった白球を目で追いながら、新井は一塁へ走り出した。25年ぶりのVを引き寄せる豪快弾。鯉党、そしてナインの胸を熱くさせた。

 場面は2点リードの三回だ。丸の右前打と相手失策で1点を追加。2死走者なしで、新井が打席に立った。カウント2-2からの5球目、中日・大野が投じた147キロ直球を強振。打球は失速することなくバックスクリーンに吸い込まれた。

 「うまく回転できたかな。琢朗さん(石井打撃コーチ)に『肩が入り過ぎているから修正したほうがいいぞ』とアドバイスしてもらったおかげ」。額から流れる大粒の汗をぬぐいながら、その瞬間を思い返した。

 3日のヤクルト戦(神宮)でもらった助言。最高の形で結果を残した。技の18号ソロでリーグトップの97打点。2010年以来の100打点にあと「3」とし、11年以来の打点王も視界に捉えた。

 足でもチームを盛り立てた。二回、左中間を破る二塁打で出塁。鈴木の左前打で三塁に進んだ。無死一、三塁。エルドレッドが放った打球は三塁へのボテボテのゴロだったが、迷わずスタートを切った。最後は捕手のタッチをかいくぐり、左手でベースにタッチ。「河田さん(外野守備走塁コーチ)の指示通り。日頃から意識高く言われている。足が速い、遅いに関係ない」。39歳の激走で先制点をもぎとった。

 九回は1死から藤井の放ったゴロを処理した際に異変が起こった。あと2死で大事を取って交代したが「腰が抜けそうだったけど、全然大丈夫。緒方監督に無理するなと言われたので」。試合後は患部を気にする様子すら見せなかった。

 チームは本拠地8連勝。マジックを「3」に減らし、最短優勝は8日・中日戦だ。「自分たちはそう思っているが、相手がいることなんで。前の神宮でもそうでしたが、マツダでも期待や歓声の大きさをすごく感じている。僕たちも勢いをもらっています」。必ず広島のファンの目の前で決める。新井の脳裏には地元での歓喜が描かれている。

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