田中広輔「奇跡です」菅野粉砕2連発 最短30日に広島優勝マジック「36」

 「巨人0-4広島」(28日、京セラドーム大阪)

 “奇跡”の一打で「神ってる」打線復活じゃ。広島・田中広輔内野手(27)が、プロ初の1試合2本塁打で試合を決めた。東海大相模-東海大で同学年の菅野をKO。連敗を2で止め、2位・巨人との差を再び10に広げた。田中は10号&11号で、自己最多本塁打を更新。「奇跡です!!」という衝撃弾でチームは再加速だ。

 球場に残した衝撃は、一瞬の静寂を生んだ。白球が左翼スタンドをわずかに越える。ファンの歓喜と悲鳴が交差するグラウンド。絶叫する田中と、落胆する菅野。自身初の2打席連発、自己最多の10号&11号で同学年対決を制した。チームの連敗を「2」で止めた。

 「まさか2本打てるとは。見てたら打てないと思ったので、どんどん振っていった」

 六回。菅野に対して2ボールから3球目、153キロワンシームを狙った。外寄りの速球に逆うことなく、振り抜いた打球は左翼席に届いた。「奇跡です。うまく打てました」と、自画自賛で振り返った一発。降板後の相手エースは、ベンチにグラブをたたきつけた。

 緊迫する投手戦に風穴をあけたのも、切り込み隊長のバットだ。三回、外寄り128キロスライダーを狙った。乾いた打球音とともに、弧を描く白球が右中間スタンドに到達。菅野から記録した初本塁打で、自己最多の2桁本塁打に到達した。

 菅野とは東海大相模、東海大で同学年。昨季は打率・389の対戦成績を残したが、今季は5度の対戦で無安打に抑えられていた。転機となったのは完投負けを喫した、5月5日(東京ドーム)の第1打席。初球、内角高めに直球が投げ込まれてきた。高校時代から知る仲だけに衝撃を受けた。

 「外にボール気味の直球か、スライダーかなと思って待っていたら、内角ギリギリに直球。全てにおいてスケールアップしていた」

 考え、導き出した攻略法は積極打法だった。「球種やコースを決めて打ちにいくんじゃなく、全部の球を打ちにいって、どうか。探って、探ってだとやられてしまう」。2本塁打はいずれもファーストストライクだ。1球、1球の真剣勝負。刺激し合うライバルとの対決に「楽しいですね」と笑みを浮かべた。

 今季3連敗がないチームは一丸で「リメークドラマ」はさせない-と首位の意地を見せた。2位・巨人とのゲーム差は再び10。1勝1敗で首位攻防戦を終え、最短で30日にマジック36が点灯する。「まだまだ試合が続くので、気を引き締めて戦いたい」。悲願の頂点へ。「奇跡」の連弾で勢いは加速度を増す。

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