誠也、今季初5番“昇格”も明暗
「交流戦、日本ハム4-2広島」(8日、札幌ドーム)
広島が8残塁の拙攻で惜敗した。打順を組み替え、鈴木誠也外野手(21)を今季初めて5番起用。四回に先制二塁打を放ったが、六回無死満塁の好機では空振り三振に倒れた。打撃好調の若鯉に訪れた明と暗。バントミスも絡んだ敗戦に、緒方孝市監督(47)も苦言を呈した。
先制打の余韻など感じさせず、厳しい表情のまま帰路に就いた。打った喜びよりも、打てなかった悔しさが鈴木の胸を締める。先制適時打の後、喫した2三振。打撃好調を買われ、今季初の5番出場で明と暗が交差した。
「明」は四回だ。1死から新井が右翼越えの二塁打で出塁。続く鈴木は初球を狙った。高めに浮いた146キロ直球を、逆らわず右方向に運んだ。ライナー性の打球は、瞬く間に右中間フェンスを直撃。初球からの積極打法が先制点を生んだ。4試合連続安打で、出場9試合ぶりの打点だ。
「チャンスだったので、初球から積極的にいきました。上からしっかりたたくことができた」。今季初めて5番で出場した。エルドレッドの調子が下降気味で、直近5試合で22打数10安打、打率・455と好調だった鈴木が“昇格”。緒方監督の期待に早速応えたが、「暗」は六回だ。
2点差。四球、失策、四球で得た無死満塁の好機で打席が巡った。2-2から低めのフォークにバットが空を切った。続くエルドレッドも三ゴロ。後続も倒れ、1点を返すのがやっとだった。続く七回は無死一、二塁で菊池がバント失敗。丸、新井の3、4番も凡退で無得点に終わった。
計8残塁。緒方監督は「選手、個々は分かっているだろう」と前置きした上で、バントなどの細かいミスを指摘する。「最近、バントの失敗などが目につく。しっかりした形で戦わないと、勝敗につながっていく」。日本ハムは2度のスクイズで点を稼いだ。個々に好不調の波は必ずある。だからこそバントや進塁打…。チーム打撃の再徹底を求めた。
「しっかりした作戦をしていかないと点は取れない。四球や失策でくれたチャンスをモノにできなかった」
作戦を徹底した中で、求めるのは助っ人の復調。指揮官は変更について「カントリーに限らず必ず波はある。ボール球を振っているわけではない」と、前置きした上で「求めているのは打点。中軸が打てないと点が入らない。打順も考えながらやっていく」と奮起を求めた。課題と収穫、反省を胸に、まずはカード勝ち越しを決める。





