菊池新記録狙う!捕殺上位3傑独占じゃ

 広島・菊池涼介内野手(25)が1日、広島市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の8500万円でサインした。今季は2年連続全試合出場も、両膝痛の影響で打率・254と低迷。来季の目標に補殺のプロ野球記録更新を掲げ、補殺上位3傑独占で完全復活を狙う。

 シーズンを振り返る表情は少し物悲しく、寂しげだった。さらなる飛躍を誓ったプロ4年目は、打率・254、8本塁打、32打点。昨季の成績をいずれも下回った。「ずっと苦しかった1年」。胸中を明かした上で、菊池は来季に目を向けた。

 「良かった点は…特にイメージがないですね。今年は動けない体で届きそうな打球、アウトにできそうな打球を捕ることができなかった。来年は補殺記録を更新したい」

 昨年は535、一昨年は528と、2年連続でプロ野球の捕殺記録を更新した。今季は最低でも3位・坂本文次郎(大映)の522を超える新記録を狙ったが484。「522を超えれば、1、2、3位になる。今までになかった新記録なので」と意欲を見せた。

 5月中旬に両膝を痛めた。シーズン後のMRI検査で「両膝の内側側副じん帯損傷」と、「後十字じん帯損傷」が判明。3年連続3度目のゴールデングラブ賞を獲得したが「(投手に)申し訳ない気持ちがある」と言う。守備率は・988とプロ入り最高を記録したが、ケガの影響で守備範囲は狭まった。

 「隠しながらでも出たかった。チームリーダーとして、監督から名前を挙げてもらって、こんなところで抜けてはいられなかった。大きいケガは初めてで見つめ直せた」

 現状維持の8500万円で一発更改。契約交渉では「金銭面の話は、特にしていない」と明かした。先月30日から、球場の芝張り替え工事がスタート。「僕の考えも伝えさせてもらった」と続けた。守備範囲を広げるため、時に芝の上を守ることもある。「1年間、均等に芝を刈ってほしい」と、細部にまでこだわりを口にした。

 年内は治療と休養を優先させ、年明け7日からは例年通りに久本らと静岡県伊豆市で合同自主トレを行う。堅守に加えて、打撃面にも磨きをかける。「バントやエンドラン。何でもできる2番を目指したい」。補殺記録を塗り替え、記憶に残る一打を放つ。25年ぶりの優勝に、菊池の復活は欠かせない。

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