緒方鯉行くぞCS!連勝で虎と1・5差
「広島5‐2阪神」(27日、マツダスタジアム)
広島が3位阪神に連勝し、1・5ゲーム差に迫った。先制を許したが、田中広輔内野手(26)の2安打3打点の活躍などで逆転勝利。球団史上初めて、主催試合観客動員数が200万人突破した節目を白星で飾った。記録的な鯉党の大声援に報いるためにも必ず、CS進出を果たしてみせる。
透き通るような青空に、鯉党の歓声が響き渡る。何度もピンチをしのぎ、勝ちどきを上げたのは我らがカープ。3万1792人が入ったマツダスタジアムが沸いた。球団史上初めて主催試合の観客動員数が200万人を突破した日にふさわしい、熱いゲームだった。
まずは丸だ。0‐1の初回、先頭打者弾で早速ビハインドをはね返す。岩崎の直球を左翼スタンドに流し打った。「良い打撃ができました」という納得のスイングが打線に火を付けた。
さらに1死二塁からエルドレッドが勝ち越しの左前適時打を放つ。2死一、二塁からは田中が変化球を捉え、中前適時打とした。9月10日・中日戦(マツダ)以来14試合ぶりとなる1イニング3得点。先発岩崎をわずか2/3回でマウンドから引きずり下ろした。
田中は1点リードの八回、再び殊勲打を放った。1死一、三塁から、福原の直球を右線に運ぶ適時三塁打。2者を生還させ、ガッツポーズを見せた。2安打3打点の活躍に「ああいう場面ではなかなか打てていなかったので良かった」と胸を張った。1試合5得点は9月8日・中日戦(マツダ)以来16試合ぶり。貧打に泣き続けた鯉打線がやっとつながった。
投手陣も先発のジョンソンが七回途中2失点と踏ん張り、2番手・大瀬良も八回無死満塁のピンチを無失点で切り抜けた。これで3位阪神との3連戦を2勝1敗と勝ち越し、1・5ゲーム差に迫った。残り6試合。逆転CS進出に希望をつないだ。緒方監督は「優勝はなくなってしまったけれど、ファンの前で最後まで諦めない姿を見せてくれた」と、ナインをたたえた。
球団史に輝く観客動員200万人突破に、指揮官は「開幕からこれだけ応援していただいてありがたい」と感謝の思いを口にした。田中も「ありがたいことです」と続き、「僕らは追う身なので失うものは何もない」と気合を込めた。目指す場所は皆同じ。逆転CSへ、ファンの声援を力に変えて最後の力を振り絞る。
