マエケン熱投130球実らず九回力尽く
「広島1-2巨人」(24日、マツダ)
広島・前田健太投手(27)が力尽きた。八回まで無失点投球だったが、0-0の九回に2点を奪われ6敗目(8勝)を喫した。打線の反撃は九回の1点に終わり、前田は今季4度目の完投負けとなった。マツダスタジアムでは今季8度目のマウンドで、初めて土がついた。巨人との3連戦初戦を白星に導けず、力投したエースは己を責めた。
願った。あと1点…。ナインに託した思いは届かなかった。最終回の反撃は1点届かなかった。痛恨の黒星。前田は悔しさを押し殺しながら語った。「大事なのは結果なので…。最終回をゼロで終わって帰ることができなかった」。敗戦の責任を一身に背負った。
0-0の九回1死一、三塁。代打・高橋由への初球、148キロの直球がやや高めに浮いた。詰まらせはしたが、打球は無情にも左翼手の手前に落ちた。さらに1死満塁から代打・堂上に右犠飛を許した。130球を費やし、1人でマウンドに立ち続けた右腕は、悔しそうに唇をかんだ。
9回7安打2失点。今季4度目の完投負け。マツダスタジアムでは、今季8試合目で初黒星を喫した。
五回まで3度得点圏に走者を背負うも、宝刀のスライダーを軸に粘った。六回から八回までは三者凡退。九回に直球がこの日最速151キロを記録した。「調子は途中まで最悪だった。六回から持ち直すことができた。でも最終的に勝ちきれなかった。粘れなかった」。尻上がりに調子を上げたが、結果が出なければ満足はできなかった。
18日の球宴から中5日で迎えた後半戦初登板。「楽しみ」と話していた菅野と、今季4度目の対決は、今回で4戦全て7回以上を投げ、2失点以内で抑えながら1勝3敗。意識する相手だからこそ、悔しさが募った。
緒方監督は前田を「絶対に点をやらないという気持ちが伝わった」とねぎらった。一方で「主導権を握るチャンスがありながら握れなかった」と、八回まで4度の得点機を逃した攻撃を嘆いた。
前田は巨人戦2勝3敗となった。今後は中6日で先発する予定で、8月いっぱいまでは巨人、DeNAと交互に対戦する。下を向く必要はない。悔しさを晴らす機会は、すぐにやってくる。
