マエケン誓った 急死の寮長にV捧げる

 広島の前田健太投手(27)が9日、マツダスタジアムで、10日・中日戦(ナゴヤドーム)に向けて調整した。チームは2連敗中だが、悲観する様子は全くないエース。8日に他界した宮脇敏(さとし)育成部大野寮長に、弔いの白星と24年ぶりVを捧げることを掲げ、敵地・名古屋に乗り込む。

 DeNAに痛恨の連敗を喫し、4位転落。借金は再び3に膨らんだ。前半戦まで残り5試合での5割到達は、4勝1敗以上がノルマとなる。連敗阻止、チーム浮上がエースの使命だが、10日の中日戦に向けて前田は淡々と言葉を紡いだ。

 「ただ2個負けただけです。まだまだ、大した負けじゃない。しっかり悪い流れを止めて、いい流れを持って来られるようにしたい。それが自分の仕事」

 ここまでチームトップタイの7勝。登板15試合全てで7イニング以上を投げ、防御率2・00、投球回数112回1/3は、いずれもリーグ2位。抜群の安定感を支えるのは、エースとしての自信とプライド。「最低限の仕事とか、今の立場でそういう思いを持つことはない。僕はチームに勝ちが付くように投げるだけ」と強調する。

 前日8日に2軍大野寮長だった宮脇さんが他界した。この日は練習前に全員で冥福を祈って黙とう。前田も2軍でシーズンを過ごした新人時代の07年、当時育成本部副本部長だった宮脇さんにお世話になった。プロ野球選手としてのイロハを学び、支えてくれた恩人。昨オフに「グラブが欲しい」と頼まれた時には試合用のものにサインを添え、感謝を込めてプレゼントした。

 「練習終わりにはトレーニングルームで、声を掛けていただきました。大野(2軍練習施設)に行くと、よく話をさせていただいた。お世話になった選手はたくさんいる」

 悲痛な思いを胸に秘め、マウンドに臨む前田。10日の登板後は球数など状況次第で、中4日で15日の阪神戦(甲子園)に回る可能性もある。「優勝も長らく味わってないだろうし。(宮脇さんに)喜んでもらえるように頑張っていきたい」。墓前に吉報を届けるためにも、エースは必死に勝利を積み重ねていく。

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