黒田 虎狩りで混セ統一へ!地方も任せろ
広島の黒田博樹投手(40)が22日、先発する23日の阪神戦(長野)へ向け、長野オリンピックスタジアムで調整した。日本球界復帰後初の地方球場登板は、自身未経験のマウンドとなるが、7年間のメジャー生活で全米各地の大リーグ本拠地に順応してきた経験を踏まえて、問題なしを強調。現在チームトップの6勝を挙げ、3連勝中。阪神戦は今季2戦2勝。虎狩りでAクラスへの足がかりをつくり、混セを勝ち抜く。
武田信玄と上杉謙信が、激戦を繰り広げた「川中島の戦い」。長野は国宝に指定される「善光寺」を誇る。復帰後初の地方登板を前に、入念な調整で汗を流した。日本の歴史を肌で感じながら、黒田は静かに笑っていた。
「いいんじゃないですか。でも、そういうのは引退した後でゆっくりね。僕は野球をしに来てるので」
戦いは始まっている。練習開始前にはマウンドに立ち、入念に傾斜や感触を確かめた。キャッチボールに短いダッシュ。助言を求められた大瀬良にはフォークの握りや、投げ方を丁寧に助言した。開幕前から抱える右くるぶしの炎症も、徐々に快方に向かっている。
地方球場では過去30試合に登板し12勝7敗。一般的に投手不利と言われ、日本球界復帰後初めてだ。だが「アメリカでもほとんどの球場で投げた。そういう意味でも適応できてきた」と自信を口にする。メジャー7年、通算212試合で30球場のマウンドに立った。日本でも長野で33球場目。百戦錬磨の男に死角はない。
現在チームトップの6勝で、3連勝中と波に乗る。中10日で迎える一戦。ブルペンにも2度入った。右くるぶしの炎症も癒え「(以前は)足の不安があったけど、その不安もなくなってきている」と状態を説明する。対するは今季2戦2勝の阪神戦。相性は悪くないが、慢心も全くない。
「阪神も打線の状態が上がってきているのでね。しっかりしたピッチングをして、チームに勝つチャンスを与えたいですね」
オールスターファン投票の最終中間発表では、16万7862票で断トツの1位に立った。混セが続く戦いは首位巨人と3ゲーム差。射程圏内に捉える。「まだ大詰めじゃないので。ヤンキースでもそんな状況で戦ってきた。バタバタすることはない」と黒田。目の前の戦いに集中する。まずは虎狩りで、チームを3連勝に導くだけだ。
