マエケン「光栄」4千勝!歴史刻んだ
「DeNA1-3広島」(19日、横浜)
球団通算4000勝じゃ!広島の前田健太投手(27)が、リーグ戦再開初戦で今季初完投勝利を挙げた。5安打1失点で5勝目。チームは球団創設66年目で、9球団目の4000勝に到達。雨中の熱投に「こういうチャンスで回ってきて、しっかり勝てたのがうれしいし、光栄」と笑みがこぼれた。投打がかみ合っての1勝で、浮上へ反撃体勢が整ってきた。
勝者に許された輪の中心で、前田は優しくほほ笑んでいた。自称「晴れ男」が雨中の119球の熱投。5安打1失点で今季初、昨年8月22日の阪神戦以来の完投勝利だ。球団創設66年目での通算4000勝。節目の1勝はエースが勝ち取った。
「(中9日で)久しぶりだったので最初から力を入れていった。球数少なく、直球が思い通りに制球できた」
2点リードで迎えた九回。当然のように前田は、小走りでマウンドに向かった。筒香を空振り三振に斬るとロペスは遊ゴロに。最後はバルディリスを、スライダーで空振り三振に斬った。最速150キロの直球を主体に、宝刀スライダーで打者を幻惑。圧巻だった。
昨年7月12日の中日戦以来の敵地勝利。「もう言われることもないですね」と、いたずらっぽく笑った。08年9月28日。広島市民球場最終戦となったヤクルト戦に勝利した。翌09年4月11日の中日戦で、マツダスタジアム初勝利。節目にはめっぽう強い。9年で重ねた87勝。4000勝の球団史にまた1つ、エースの功績が刻まれた。
「プレッシャーを力に変えてマウンドに上がった。結構、チャンスで回ってくるんです」
戦後復興を支えた赤い市民球団。勝利の数だけ夢があった。1950年3月14日の国鉄戦で記念すべき1勝。1975年には初優勝を飾った。悔し涙にうれし涙。戦いの裏にはいつも感動がある。敵地でも球場の左半分を埋め尽くす赤い応援団。前田は「声援が力をくれた」と感謝した。常に共に戦ってきた。
リーグ再開、カード初戦に勝利。首位巨人とのゲーム差は3・5に縮まった。「チームにとっても、僕にとってもいいスタート。あしたから大事。勝っていけたら」と前田。さあ、巻き返しへ。4001勝を目指して、また新たな戦いが始まる。
