エルド空砲5号…鯉不運サヨナラ負け
「交流戦、西武5-4広島」(11日、西武ド)
広島が不運な逆転負けを喫した。ブラッド・エルドレッド外野手(34)が三回に逆転となる5号2ランを放ったが、四回に追いつかれ、九回は“幻の併殺”となった不運なプレーが響き、無念のサヨナラ負け。借金は今季ワーストタイ8に逆戻りした。これで交流戦は7勝8敗。12日から最終カード、ソフトバンク3連戦(ヤフオクドーム)に臨む。
敵地に鯉党の歓声がこだました。エルドレッドは、打った瞬間に本塁打を確信した。大きな弧を描いた打球は左翼席中段に着弾。2-3の三回2死一塁、岸のカーブを捉えた。逆転の5号2ラン。試合中に「甘いカーブにうまく反応できた。しっかり捉えることができた」と振り返った。
しかし、試合後のエルドレッドは、ナインや鯉党とともに勝利を祝うことはできなかった。四回に追いつかれ、九回に今季4度目のサヨナラ負け。今季ワーストタイの借金8に逆戻りした。
最後は不運な幕切れだった。九回1死一、二塁で浅村の打球は遊撃への平凡なゴロ。併殺だ-誰もがそう思った瞬間、二走・田代の体に打球が当たった。
判定は守備妨害で二走・田代だけがアウトとなり、ボールデッド。打者の浅村は遊撃内野安打と記録されて一塁に残り、2死一、二塁で再開となった。納得できない緒方監督は抗議するも覆らず、中村の四球で2死満塁となり、最後はメヒアにサヨナラ打を浴びた。
緒方監督は「審判の判定は故意ではない、ということだった。ツキがなかった。ダブルプレーで終われていた」と嘆いた。遊撃の田中は「普通にやれていればゲッツーでした。(田代は)少し足を止めて怪しい動きだった」と、首を振った。
責任審判の佐々木球審は試合後「故意とは言えないと判断した」と説明。手で打球を防ぐなど、明白な故意と判断すれば、併殺とする場合もあるという。
不運な敗戦で、交流戦7勝8敗。残るカードはソフトバンク3連戦だけだ。指揮官は「何とかタイ(9勝9敗)か勝ち越し(10勝8敗)で終わりたい。総力戦で戦う」と誓った。過去2度しか勝ち越しがない“鬼門”の交流戦。最後は笑って終わりたい。
