【黒田一問一答】最後はファンの気持ち
ヤンキースから8年ぶりに古巣の広島に復帰した黒田博樹投手(39)が15日(日本時間16日)、米ロサンゼルス近郊で自主トレを公開。約2時間半の練習の後に取材に応じ、決断に至った経緯を激白した。
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-復帰発表から3週間。現在の心境は。
「いつものシーズンとあまり変わらないですし、まだ実感がないという感じですね」
-復帰の決め手は?
「日本に帰るとすれば今年が最後のシーズンになるんじゃないかなと思った。すごく悩みましたけど、最後はカープファンの気持ちが大きかったと思います」
-広島ファンは黒田の復帰に沸いている。
「直接そういうのは感じることはなかったですけど、新聞とかの報道で多少なりとも耳に入っています」
-メジャーのオファーを断って広島復帰を決めた。
「未練はないと言えばうそになる。それだけの覚悟を持ってアメリカに乗り込んできたので、自分からせっかくの評価を破棄するのはなかなか勇気のいることだったが、決めた以上はいい決断だったと思えるシーズンにしたい。それが現時点での気持ちですね」
-メジャーでの7年間を振り返ると。
「今から考えるとあっという間でしたし、どうやってここで生き残っていくかということを常に考えてやってきた7年間。それが一瞬にして終わったという感じ」
-この7年で自身に変化はあったか。
「年を取ったということで以前とは違う投球スタイルにはなったと思いますし、そういう部分では多少なりとも不安はあります。毎年不安を持ってシーズンを迎えるんですけど、また新しい環境で自分がアジャストしていかないといけないという不安はある」
-今回の決断に満足しているか。
「それはシーズンが終わった時に自分がどう感じるか。ただ自分にとっては間違いがなかったと言えるようなシーズンを過ごしたい」
-8年ぶりとなる広島のユニホーム。イメージできるか。
「まだ全然イメージも湧かないですし、赤色(のユニホーム)も7年間遠ざかってますし、実際に着てみないと分からないですね」
-広島からどんな働きかけがあったのか。
「毎年いい形でオファーをしてもらって、熱意というかね、そういうものは感じていましたし、毎年頭を下げて申し訳ない気持ちで断ってきた。今回こういう決断をして、球団の力になれればと思います」
-背番号はメジャーでの18から、広島時代の15に戻る。
「あまりこだわりはなかったんですけど、7年間、15番を空けていただいたことはすごくありがたかったし、そういう意味で新しく愛着が湧くと思います」
-広島の本拠地はマツダスタジアムに変わっている。
「初めての球場ですし、昔の(広島)市民球場とは雰囲気も全然違うと思うので、早く慣れるようにしたい。あと市民球場で僕が投げていた時のファンがまたマツダスタジアムで来てくれればと思います」
-日本で楽しみにしていることは。
「楽しみにしていることはあまりない。ただカープファンの前で試合ができるのは楽しみですね」
-キャッチボールで使用している日本の公式球の感触は。
「それに関しては日本で投げてみないと分からない。アメリカでも気候、地域によって全然ボールの変化の仕方が違った。日本に帰って実際マウンドに立って投げてみないと分からないことはたくさんある」
-大リーグでやり残したことがあるとすれば。
「当然、ワールドチャンピオンを目指してやっていたので、その(ワールドシリーズの)マウンドに立ちたいという気持ちは常に持っていました。プレーオフは何試合か経験しましたけど、ワールドシリーズを経験できなかったのは自分の中では未練というか、そういう部分はある」
-日本復帰に対して家族の反応は。
「毎年オフになると進路は自分が決めてきたんで、仕方ないと思ってるんじゃないですか」
-チームからは、結果以外のものも求められている。
「何ができるか分からないですけど、選手の手助けになれれば。僕自身も順風満帆に野球人生を送ってきたわけではないので、今苦しい思いをしている選手に、少しでも力になれれば」
-メジャーで一番印象に残っている試合は。
「(昨年9月25日の)最後の登板。ジーターのヤンキースタジアム最終戦でもあり、ワールドシリーズで投げている雰囲気だったと思う。すごく印象に残っています」
-2月中旬に春季キャンプに合流する予定。調整のスケジュールは。
「(緒方)監督やピッチングコーチとこれから話をしていかないといけない。開幕に100%(の状態に)持っていくかどうかというのも、自分の中でいろいろ考えながらやっていかないといけない。一番大事なのは8月、9月だと思うので、そこでフル回転できるような調整。僕の中ではそういうイメージですね」





