マエケン復活!新球カットボールも披露

 「交流戦、広島6-2楽天」(19日、マツダ)

 広島・前田健太投手(26)が、8回5安打1失点(自責点0)で6勝目を挙げた。左脇腹張りのため12日・西武戦の登板を回避。中14日での登板で新球カットボールを披露し、楽天のドラフト1位・松井裕樹投手(18)=桐光学園=に貫禄勝ち。完全復活をアピールした。チームは5月10日以来の3連勝。首位巨人への追撃態勢を整えていく。

 前田はグラブをたたき、雄たけびを上げた。0‐0の三回2死三塁、岡島の打球は捕手との中間地点に弾んだ。マウンドを駆け下り、素手でつかんで一塁送球。間一髪アウトで先制点を防いだ。「フィールディングは僕の持ち味なので」と、胸を張った。

 好守で味方の援護を呼び込むと、最速152キロの直球を軸に8回5安打1失点。左脇腹の張りを訴えて12日・西武戦を登板回避。4日・日本ハム戦以来、中14日の復帰登板で5月29日・ロッテ戦以来の6勝目を挙げた。「疲れもなく肩も軽かった。自分の投球ができた」とうなずいた。

 新球も披露した。初回、嶋を空振り三振に抑えたカットボールだ。「2日前のブルペンでも1、2球しか投げていない。余裕があるうちに試そうと思った」。試合で数球を投げ「僕の球種のイメージは相手にすり込まれている。1球入るだけでも変わる。まだ100%ではないけれど」と、狙いを説明した。

 以前にもカットボールに着手した過去があるが「あの時とは握りも違う。公式戦では実質初めて」と話した。新球開発の経緯は「思いつきを大事にするので」と説明した。

 常にキャッチボールから「遊び心を持っていろいろ試す」という考え方の持ち主。お立ち台では「明日(20日)は広島の試合がないので(サッカー)日本対ギリシャ戦を皆さんで応援しましょう」と話して球場を沸かせた。守備も新球も、トークも、前田が全てで本領を発揮した。

 ヤンキースなど大リーグ関係者も視察する中、松井裕に貫禄を見せつけ、野村監督を「うちのエースですから」とうならせた。6つの白星は全て本拠地で「うれしいことなのか分からないけど」と苦笑したが、チームに9連敗の後の3連勝をもたらした。敵地での白星も時間の問題。エース復権は頼もしい限りだ。

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