松山、シンプル思考で難コース対応

 「全米オープン選手権」(12日開幕、パインハースト・リゾート=パー70)

 男子ゴルフのメジャー第2戦、全米オープンに出場する松山英樹(22)=LEXUS=は公式練習日の10日、9ホールの練習ラウンドなどの調整を行った。

 1日終了のメモリアル・トーナメントで初優勝を挙げて以来の試合出場となる松山。まだルーキーで顔見知りが少ないせいか、誰も彼もが祝福に訪れるというわけではない。が、5月25日終了のクラウンプラザ招待で最終日最終組をともに回ったデビッド・トムズとキャディーは、練習場で松山に笑顔で近寄り、「おめでとう」と勝利をたたえた。

 松山と彼を取り巻く環境がいつもと異なるのは、そうした祝福を受けることだけ。それ以外は「別に普通通りに練習すればいい。終わったことなので切り替えていこうかな」。いつもの飄々(ひょうひょう)とした松山に戻っている。

 パインハーストは名匠ドナルド・ロス設計の名コース。故ペイン・スチュワートがフィル・ミケルソンとの激戦を1打差で下した1999年大会の名場面は松山も「テレビで見ていた」。しかし、コースが大幅に改修された今年は、かつての深いラフが取り払われ、野草を植え込んだ砂地がフェアウエー両側に広がっている。だが、松山は「そこに行かなかったらいい話。別に気にしない」とシンプルな思考だ。せり上がったグリーンは硬く速く、小技がカギになるとささやかれる中、松山は「スイングが良ければ真っすぐ飛ぶし、グリーンにも止まる。アプローチも同じこと」と何も特別視はしていない。

 それが今週も平常心が保たれている証しだとすれば、気のない表情や返答も、松山が松山らしさを発揮するいい兆候と言えそうだ。(米ノースカロライナ州・舩越園子)

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