凱旋・九里快投1失点!親族観戦が力に

 「広島2-1阪神」(13日、米子)

 広島は今季5度目のサヨナラ勝ち。延長十二回、梵英心内野手(33)が、左翼席へ今季2本目のサヨナラ弾となる3号ソロを放った。先発のドラフト2位・九里亜蓮投手(22)=亜大=は、プロ最長の7回を投げ4安打1失点と好投した。勝ち星こそつかなかったが、地元の鳥取県米子市での凱旋登板で、チームの勝利に貢献した。

 求めていた感触を取り戻した。プロ最長の7回を投げ、4安打1失点。中学時代までを過ごした故郷での凱旋。九里は役割を果たし「四回以降はうまく打ち取れた」と、充実感に満たされた。

 先発ローテ生き残りへ、背水の陣だった。前回まで2回続けて初回に先制点を許したことが響き連敗。この日は直球を多投し、0点に抑えた。それ以降は変化球を低めに集めた。三回、2死から緒方の左中間への二塁打、自身のボーク、大和の中前打で先制点を献上したが、最後まで持ち味は出した。

 「立ち上がりは高めに浮いていたが、真っすぐに力強さがあって助かった。ショートバウンドを投げるくらいに低めを意識した」と、手応えを口にした。

 祖母・淳子さん、母や妹ら親族約10人が応援に駆けつけた。観戦に訪れたのはプロ初勝利を挙げた3月29日・中日戦(ナゴヤドーム)以来。中学時代は素行不良で道を踏み外しそうになったのを、祖母が改心させてくれた。苦い思い出もある故郷で、成長した姿を披露できた。

 チームが鳥取に移動した12日の夜。米子市内の祖母・淳子さんの家にドラフト1位・大瀬良(九州共立大)を招き、母や妹らと一緒に、祖母がつくった懐かしの肉丼で腹を満たした。「今度は勝ちたい」。家族と大瀬良の前で、そう誓った。

 4月19日・DeNA戦(横浜)以来となる3勝目はならなかった。それでも観客席の淳子さんは「気合が入っていると感じました」と、孫の勇姿に目を細めた。

 「今は負けているが、自分も置いていかれないようにしたい」と大瀬良を意識する。互いに競い合って、首位を走るチームに貢献する。

 チームはサヨナラ勝ち。その道筋をつける好投だった。故郷で輝きを取り戻した九里の視線は、もう次に向いている。

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