大瀬良伝説、虎狩りから幕開けへ
「広島春季キャンプ」(21日、沖縄)
“デビュー戦”で虎狩りだ。広島の沖縄キャンプが21日、スタートし、ドラフト1位の大瀬良大地投手(22)=九州共立大=は、先発する22日の阪神とのオープン戦(コザしんきん)に向けて調整した。プロでは初めての実戦登板だが、登板前日では異例の74球を投げて課題を修正。同一リーグが相手でも出し惜しみせず、全力投球を誓った。
大瀬良がついに実戦デビューする。相手は昨年のドラフトで広島、ヤクルトとともに競合した阪神。「僕にとっては第一歩。しっかり自分のボールを投げることが大事。結果はどうあれ、それが今の自分。ベストのボールを投げたい」と、テーマを掲げた。
試合では先発で2回を投げる予定。登板前日のこの日は、ブルペンで74球を投げた。前日としてはかなり多く、大瀬良自身も大学時代は30球前後だった。「最初は30球と思ったが、指のかかりで修正したいところがあって増やした。オープン戦だし、(投げるのは)2イニング。増やしてもいいと思った。いい感じで迎えられる」と自信を見せた。
13日のシート打撃初登板では、丸、菊池ら主力8人を相手に1安打2三振。150キロも計測した直球が際立った。打者との対戦はそれ以来。大瀬良を開幕ローテ構想に入れている野村監督は「登板間隔があいたから、急にドンと行くなとは、コーチを通じて伝えてある。それでもいい投球をしてくれると思う」と期待した。
同じセ・リーグの阪神が相手だが「悪い癖が見つかれば修正する。お互いさま。普段通りやってくれればいい」と指揮官。球種を隠す必要はない。大瀬良の思いと同じ、全力投球を求めた。
阪神はマートンら主力も出場する予定。そのマートンを最も意識する打者に挙げた大瀬良は「ミート力があるので抑えられたらうれしい」と話した。直球でファウル、空振りを奪うことが大きな目標で、レギュラークラス以外の打者に対しても「プロはみんな長所がある。一人一人に一生懸命投げたい」と誓った。
結果にはこだわらない。「ゼロに抑えられたらいいなあ、くらい」。真っ向勝負の末に見えるものを、糧にする。
