マエケンに新武器!スプリット初披露

 「広島春季キャンプ」(16日、日南)

 広島・前田健太投手(25)が、スプリットを初めて披露した。ブルペンで56球を投げ、そのうち10球が打者の手元で鋭く縦に落ちた。投球の幅を広げるため、今オフの自主トレから本格的に投げているスプリット。手応えは十分で、エースに新たな武器が加わることになりそうだ。

 本塁ベース手前で鋭く縦に落ちた1球に、捕手の石原が大きくうなずいた。フォークよりも速い。前田が今キャンプで初めて投じたスプリットだった。

 「完璧。冗談です。でも今回はうまく投げられた。これからも試していきたい」

 ボールを人さし指と中指で浅く挟んで投げるのがスプリット。ブルペンで投げた56球のうち、10球投げた。石原は「良かった。これから(実戦で)使っていって自信をつけてほしい」。正捕手も太鼓判を押した“新球”だった。

 プロ1、2年目は投げていたという。だが「自信がなかった。(捕手に)サインをなしにしてもらった」と投げることをやめた。2011年春のキャンプではフォークに挑戦したが、他の球種に悪影響が出ることを懸念して断念した。

 それでも今回は「握りも、これかなっていうのがある。いろいろな人に教えてもらった」。マスターへの手応えは十分だ。

 スプリットに取り組んでいるのは、投球の幅を広げるためだ。昨年の契約更改後の会見で、将来的なメジャー挑戦希望を明かした。高いレベルでプレーすることを目指し、自らも高めていくつもりだ。

 スプリットは、楽天からヤンキースに移籍した田中のウイニングショットとして知られる。マー君が影響しているのか?と問われると「そういうわけではない。余っている球がこれしかなかった」と苦笑した。

 この日はマリナーズ・山本日本担当スカウトがキャンプを視察した。これで米球団の視察は3球団目。注目度は高まるばかりだ。

 沖縄キャンプが始まる20日以降、打者を相手にスプリットを投げるつもりだ。「打者の反応を見たい」。新たな武器を手に、シーズンに臨むつもりだ。

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