ドラ1大瀬良に恩師からブレーキ指令
広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)=九州共立大=が5日、北九州市の九州共立大で行った自主トレを公開した。昨年のドラフト後、取材や教育実習参加で十分な練習が積めていないが、焦らずマイペースで調整する構えだ。
寒空の下で体を動かした大瀬良は、プロ1年目に向けて引き締まった表情を浮かべた。「これからだなという気持ち。今年の12月31日に、いい1年だったと思えるように頑張りたい」。力強く抱負を語った。
この日は早朝の野球教室に参加した後、ランニング、キャッチボールなど軽めのメニューをこなした。10日からは新人合同自主トレが始まるが「けがをしないように」と、体づくりを優先。マイペースで調整するつもりだ。
昨年のドラフトで指名された後は、取材や教育実習で満足のいく練習が積めなかった。年末年始は長崎の実家で、毎日約10キロのランニング。3日からは九州共立大のグラウンドで内野ノックや筋力トレーニングなど、約7時間練習して不足分を補ってきた。それでも体の仕上がりは「7割くらい」という。
4日に自主トレを公開したドラフト2位の九里(亜大)はブルペンで投球練習を披露した。しかし大瀬良は「(ブルペン入りは)今は考えていない。体ができてからになる」と話した。
マイペース調整は恩師からの“指令”でもある。自主トレ後に開かれた「第10回九州共立大出身プロ選手後援会」に参加したが、仲里監督から「ゆっくりやれ」とアドバイスされた。
仲里監督は最速153キロの大瀬良について「(体ができれば)160キロを出すかもしれない」という。一方で「体格はあるが体力はない」と課題を口にした。
仲里監督が大瀬良と重ねるのが、00年ドラフトで九州共立大から逆指名でダイエー(現ソフトバンク)入りした山村路直投手。鳴り物入りでプロ入りしたが、1年目の春季キャンプで右腕を故障。その後もけがに苦しみ、プロ通算2勝にとどまった。「アピールしたがるタイプ。飛ばし過ぎないように」と、ブレーキをかけた真意を明かした。
大瀬良も「向上心を持ち続けてやっていきたい」と自覚は十分。先発ローテの一角として期待される右腕は、着実に準備を進める。
