マエケン来オフにも新制度でメジャーへ

 広島・前田健太投手(25)が10日、広島市内の球団事務所で行われた契約更改交渉後、将来的なメジャー挑戦希望を初めて表明した。順調ならば4年後に海外FA権を取得できるが、ポスティングシステムに代わる新移籍制度での早期移籍を熱望。早ければ来オフにも海を渡る可能性が出てきた。また契約交渉では、7000万増で球団史上最高年俸の2億8000万円で更改した。

 契約交渉の時間は25分間。昨年は1度目の交渉で保留した前田健だったが、今年は笑顔で一発サインだ。7000万増の2億8000万円。07年の黒田の2億5000万円を超える球団最高年俸を記録し、「誰が最高額とかは知らなかったけど、評価してもらってありがたい」と白い歯を見せた。

 ただ契約交渉の場で話し合われたのはお金だけではなかった。それはメジャー移籍。「憧れているし、やってみたいという気持ちはある」。報道陣の前ではっきりと口にした。

 日本球界を代表する投手がメジャーに挑戦するのは時代の潮流なのかもしれない。実は前田健も3年前から、球団と海外移籍の話をしており、ついに今年、自ら公にした。

 具体的な時期については言葉を濁したが、「自分がいい時に行きたい。後悔したくない。プロ野球人生はそんなに長くないし、ずっとやれるわけではない」と語った。できるだけ早期に挑戦したい思いが強いのは明らかだった。

 順調ならば海外FA権を取得するのは4年後の17年シーズン。だが「FA権を取れるのは29歳ですから。そのためにもポスティング制度はあると思う」と最も体が動く20歳代での挑戦にこだわっている。さらに「何とかチームに“恩返し”できる形がベスト」。日米で基本合意しているポスティングシステムに変わる新移籍制度ならば、上限20億円の移籍金を残せる。球団のためにも無償のFA移籍より、新制度での移籍を望んでいる。

 今年WBCに出場したことで夢が目標に変わった。それまで国際経験がなく「目標にするのは難しかった」が、WBCでベストナインに選出される活躍を見せ「気持ちが強くなった」と振り返った。

 来オフにも新移籍制度での移籍の可能性がある。ただ球団としては簡単に容認はできない。松田オーナーは「機運が高まれば考えないことはないが、ファンがどう考えるか。ファンが理解する時を見て、われわれも考えないといけない」と慎重な態度を示した。

 前田健も急いで結論を出すつもりはない。まずは来季、広島のためにフル回転する覚悟だ。「来年Bクラスになったら今年の成績は意味がない。ここからカープの歴史を変えていかないといけない」。メジャー挑戦前に、23年ぶり日本一の栄冠をつかみ取る。

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