菊池が意地の同点打「下克上したい」

 「巨人2‐1広島」(22日、東京ド)

 歓喜に沸くグラウンドを背に、広島・菊池は歩を進めた。バスへと続く通路。「何もありません。また明日、頑張りたい」。多くを語らず、悔しさを胸にしまい込んだ。

 目の前で胴上げを許した屈辱的な試合。その中で背番号33は光り輝いた。

 0‐1の三回2死一、三塁だ。菅野が投じた外角低めのスライダーをすくい上げた。1‐1の同点に追い付く中前適時打。「初球から変化球を狙っていた。1球で仕留めることができてよかった」と、広報を通じてコメントした。

 前日21日は、杉内から自身初の2桁本塁打となる10号ソロを放った。これで2試合連続打点。初のCS出場を果たし、勝ち進めば、再び対戦する王者に存在感を示した。

 リーグ優勝はできなかった。しかし、野村鯉が現在目指しているのは初のCS進出だ。試合前には「目標は1つ」と語った上で、「下克上をしたい」と逆襲を誓った。G党の歓喜の声はずっと耳に残ったはずだ。この敗戦を力に変え、菊池がチームをゴールへとけん引する。

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