上本、抜擢に応えたプロ初安打が先制打
「ヤクルト2-6広島」(11日、神宮)
大抜てきのルーキーが躍動した。二回2死一、二塁。チャンスで打席が回ってきた広島・上本は必死に粘った。そしてフルカウントからの7球目、石川の落ちる変化球をしぶとくとらえると、打球は中前へポトリと落ちた。プロ初安打は、先制の適時打となった。
18打席目にして生まれたメモリアル安打。「大竹さんを楽にしたかったので」と声をはずませ、「感触は(バットの)先だったし、飛んだところがよかった。うれしいですね」と、頬が緩んだ。
スタメン出場はこの日の朝、言い渡された。6月2日のオリックス戦(京セラ)以来、今季3度目。野村監督は「起爆剤として(スタメンで)使ってみようと、打撃コーチと話して決めた。ヒットは1本だけだったけど守備でもいいところがあったし、よかったね」とうれしそうに話した。
安打が出ない日々が続き、プロの厳しさを痛感していた。だが新井打撃コーチのアドバイスで打撃が変わった。「バットのヘッドを効かすようにヘッドを重くしては」と言われ、バットのタイプを変更。このバットのおかげで、身長170センチと小柄な体でもプロの球に負けない打撃ができるようになった。
CS進出へ負けられない戦いが続いている。そんな中、見事勝利に貢献し、「しびれました」と本音をこぼした。また一人、野村鯉に大きな戦力が加わった。
