竜連倒!木村Vスクイズ&ダメ押し&好守
「中日3‐6広島」(21日、ナゴド)
広島は「8番・三塁」で先発した木村昇吾内野手(33)が同点の七回に絶妙のセーフティースクイズを決め、決勝点をたたき出した。八回にはダメ押し打も放ち、2安打2打点。好守も見せるなど大暴れした。敵地での3位攻防戦に連勝し、中日に2・5ゲーム差をつけた。
33歳、控えでもたゆまぬ努力を続けた男の技術が勝利を呼んだ。3‐3の七回1死一、三塁。堂林の負傷により「8番・三塁」で先発した木村に絶好機が巡った。
西川の3球目をフルスイングの空振り。強攻と思われた矢先の4球目、木村はバントし一塁前にゴロを転がした。三走・梵は打球を見て、一気に勝ち越しのホームを陥れた。慌てた一塁手・クラークは一塁へ悪送球。セーフティースクイズを成功(記録は安打)させ、なお1死一、三塁。代打・岩本が右越え適時二塁打で続き、試合を決めた。
狙い通りの策ズバリ。野村監督は「どのタイミングで出すか狙っていた」と、してやったり。木村は「梵の足が速いので、1点入ると思った。プレッシャーはなかった。一塁手が後ろだったし、いいバントだった」と、胸を張った。
5‐3の八回2死一、三塁では、フルカウントからしぶとく左前に適時打を放ちダメ押し点。さらにその裏、先頭・平田の三塁線の打球をダイビング捕球。2安打2打点&好守でチームを救った。
「(適時打は)1点でも多くと思い、食らいついた。平田の打球はあそこに飛んでくると思った。そういうことで起用されていると思うので」
普段は守備固めなど途中出場が多い。6‐3の九回2死から藤井の三ゴロを失策し、あわやのピンチを招いたことに「まだまだ練習して捕れるようにしないと」と反省。文句なしのヒーローだが、それでも気持ちを引き締めた。少ない出番で完璧を求める仕事人ゆえだ。
内外野どこでもこなす、頼れるスーパーサブ。守備の職人だが、外野手用のグラブは自身専用のものを作ったことがない。「どこでもやる。でも僕は内野手、ショートだから」。その強い自負心が、木村を支える。
中日に敵地で連勝し、3カード連続勝ち越し。中日とのゲーム差は2・5に広げた。投打ともムードは最高潮。22日も勝ち、9年連続シーズン負け越す天敵・中日の息の根を止める。
