野村祐“故郷”神宮で初めて勝った
「ヤクルト5‐13広島」(2日、神宮)
プロ入り2年目でやっと手にした神宮での勝ち星にも笑顔はない。広島・野村は「きょうは全然ダメ。体も思うように動かず、ボールを思うところに投げ切れなかった」とまるで敗戦投手のようなコメントを発した。
初回に先制を許し、三回に打線が逆転してからも失点を重ねた。大量援護に助けられ6勝目を挙げたが、5回11安打5失点。三回に自ら犠飛を放ち攻撃には貢献したが、投手としてはいいところがなかった。「野手の方に感謝しかない」という言葉に力はなかった。
前回先発となった27日のヤクルト戦(マツダ)では2点リードの八回に突然崩れ一挙6点を奪われ敗戦投手となった。中5日での先発に「それは関係ない」と影響を否定したが、ふがいない投球に景気のいいコメントは出てこない。
広陵で甲子園準優勝投手の栄光を手に明大に進学。大学1年生の春から神宮のマウンドに立ち、4年間で通算30勝を挙げた。プロに入った昨年は神宮で3度先発しながら2敗という結果だった。内容は満足できないものの今季初の神宮での先発。プロ入り4度目の挑戦でやっと白星を手にした。
しかもビジターゲームでは横浜と西武ドームでしか勝っていなかった。内弁慶からの脱出にもいいきっかけとなる。グラウンドに一礼した野村は「大学時代、ここで勝ってきたんで、プロでも勝てるようにしたい」と初めて前向きな言葉を発した。
