マエケン初対決マー君と意地の直球勝負
「オールスター・第1戦、全パ1-1全セ」(19日、札幌ド)
ファン投票で2年連続1位選出の全セ・前田健太投手(25)=広島=が第1戦(札幌ド)に先発し2回3安打1失点。同級生ライバルの夢の対決は全パ・田中将大投手(24)=楽天=に軍配が上がったが、意地全開の直球勝負を存分に見せつけた。2年連続MVPは逃したがライバル・マー君に刺激を受け、後半戦の逆襲モードにさらに火は付いた。
意地と意地のぶつかり合い。全セ先発の前田健は同級生・マー君と念願の初対決に一歩も引かぬ直球勝負だった。
初回1死から松田に147キロをセンター右へ打たれ三塁打。糸井には146キロを左前に運ばれ先制を許した。それでも続く中田を149キロで右飛に仕留め、ジョーンズの打席では最速151キロをマークした。
高卒1年目から活躍し続けるマー君は「同級生の中でも特別な存在。刺激を受けてきた」と言う相手。ベンチ前での投球練習中にも、マウンド上の右腕を何度もチラ見し、強く意識した。
直球を投げ続ける両右腕だったがマー君が二回1死、ブランコの4球目に初めてスプリットを投げ空振り三振。一方の前田健も二回無死一塁の場面で浅村の4球目に初めてスライダーを投げた。
「最初から真っすぐをど真ん中にしか狙っていなかった。疲れたので途中でやめましたけど」とは言う。だが過去2度の球宴ではここまで直球を続けることはなかった。中学生から知るライバルへの対抗心が生んだ全27球中、直球24球だった。
2回3安打1失点、奪三振はゼロに終わったが「無事に投げられて良かった」とすがすがしい表情。2回を無安打無失点に抑えたマー君には「すごいですね。中2日(登板)で…。刺激を受けます」と脱帽した。
PL学園3年夏は大阪予選敗退。甲子園を沸かせたマー君VS佑ちゃん(現日本ハム、斎藤佑)対決は、「ほとんど見なかった」と言う。プロ入り後も世代のトップを走り続ける相手に「負けてられない。早く1軍で投げたい」と存在が力になった。
WBCでは侍投手陣を引っ張った両エース。夢の対決だったが「シーズンで投げ合わないことには勝負という感じにならない」と悔しがり、負けん気をのぞかせた。
マー君は開幕13連勝しチームも首位を走る。自身は前半戦7勝止まりでチームは5位。夢舞台で見せつけられたライバルの「すごさ」が後半戦、鯉のエースの逆襲へのパワーになる。

