新助っ人不況の理由はなぜ?「1年間は経験させて2年目に期待しても」評論家が分析「速いストレートに対応できない」

 プロ野球が開幕して約1カ月、新助っ人野手が苦しいスタートを強いられている。1年目の新外国人野手でセ・リーグの規定打席到達者はゼロ。パ・リーグでは西武・アギラーのみだ。

 そのアギラーも打率・225、2本塁打と“助っ人”として期待される成績ではない。数年前から新外国人野手は苦しむ傾向にあり、活躍しているのはヤクルトのサンタナ&オスナ、オリックス・セデーニョ、ロッテ・ソト&ポランコら来日2年目以降の選手たち。一昔前は外国人選手のデキが優勝を左右すると言われていたが、今ではなかなか期待するのも難しい現状だ。中日・ディカーソンや広島・両助っ人は開幕直後に故障で離脱する不運も重なった。

 阪神、広島、オリックスでコーチを歴任したデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「メジャーのバッターを見ていても、真っすぐをフルスイングしにいって、かつ変化球にしっかり対応できる選手が生き残っている。ストレートに強い打者がメジャーで活躍して、ストレートを打てない打者は3A止まりになっている」と分析した。

 今永や山本、松井らがメジャー1年目からしっかり結果を残していることを考えても、日本のピッチャーのレベルは上がっている。日本にやってくる選手はメジャーと3Aを行き来する選手たち。「だから1年目からいきなり活躍するというのは難しくなっているのが現状だと思う。ある程度、1年間は経験させて2年目以降に期待するという形にしないとなかなか難しいんじゃないかな」と岡氏は言う。

 それも本人の資質がモノを言う部分があり「何か日本で技術を習得してもう一度メジャーへという選手もいるかもしれない。かつて阪神に在籍していたスアレスのようなケースもある。そこまでのハングリーさを持った選手がいるかだよね」。メジャーリーガーのプライドがあれば、日本に適応することを阻む要因になる。

 昨オフに阪神・岡田監督はこんな発言をしていた。「外国人なしでもええんちゃうの。はっきり言うて。ほんまにどこも失敗してるやろ。減らしたらええんちゃう。なんで5人。コロナとかでベンチ入りも1人増えたけど、別に2人くらいにしといたらええのに。取りすぎやろ。そんなに外国人に金使うなら、日本人に金使ってあげたらええのにな。俺はそう思うけどな。外国人なしでええで。外国人なしでやったらもっと勝てるわ」。阪神は新外国人の野手は獲得せず、減俸をのんで残留したノイジー、2年目の大化けを期待したミエセスの布陣で今シーズンを戦っている。

 ノイジーは規定打席にわずかに届いていないが、打率・296と構え方に変化が見られたタイミングで数字も上がってきた。「外国人選手というのは今後のテーマになる。育成を意識しての獲得というのも必要になってくるのではないか」と岡氏は指摘した。

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