広陵・岸田 春で高校野球に“区切り” 3月上旬に学生コーチ就任「応援やサポートでチームのためになろうと」

 「選抜高校野球・2回戦、青森山田6-5広陵」(27日、甲子園)

 2回戦4試合が行われ、青森山田は延長タイブレークで、広陵にサヨナラ勝ちした。

 この春で高校野球に“区切り”をつけた部員がいた。14日の甲子園練習に臨んだ広陵。終了直前、最後にマウンドに上がったのは岸田賢治投手(3年)だった。「賢治、行けよ!」の仲間の声に押されて全力投球。満面の笑みでマウンドに別れを告げた。

 「自分の時間もない人もいる中でチャンスをもらった。とてもうれしかったです」

 3月上旬に選手としての道を断ち、学生コーチに就任。今大会のメンバーに入れなかったことで腹を決めた。「自分の実力、野球の技術で貢献できないと思った。応援やサポートでチームのためになろうと」。同校では、毎年この時期に数人が学生コーチに転身する。岸田は一番に手を挙げて、首脳陣に決断を伝えた。

 選手としての自分を支えてくれた家族にも打ち明けた。母・順子さんからは「決めたなら最後までしっかりやりなさい」と背中を押された。チームのサポートと同時に新入生に広陵野球部のいろはを伝え、未来に伝統をつなぐ役割を担う。

 聖地では太鼓をたたき、アルプスタンドを盛り上げた。グラウンドのナインをジッと見つめ、力いっぱいに奏でた。「広陵はメンバーも控えも一緒に戦うというのは昔からずっとあること。新入生にも、それを伝えたい」。岸田の覚悟が広陵の歴史を紡いでいく。

 ◆岸田賢治(きしだ・けんじ)2006年6月21日生まれ、17歳。広島県福山市出身。166センチ、71キロ。右投げ右打ち。熊野小2年時にソフトボールを始め、4年時から軟式野球チームの福山DJに入部して外野手。私立盈進中では福山ドジャースに所属し、3年時から投手を務めた。

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