楽天・稼頭央9千万減…減額制限超え56%大減俸18年ぶり1億円割れ

 楽天・松井稼頭央外野手(41)が19日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、減額制限(1億円超は40%)を超える9000万減の7000万円(金額は推定)でサインした。50%以上となる大幅ダウンを受け入れたベテランは、迎える42歳シーズンに向け、レギュラー奪回を宣言した。

 会見場に現れた松井稼は「結果の世界なんでね。これも実力です」と前を見据えた。1億円を下回るのは、年俸9600万円だった98年以来。来年10月に42歳を迎えるレジェンドは「もう一回、レギュラーを獲る。そういう気持ちで来年頑張りたい。優勝しか見てないです」と迷わず言い切った。

 不惑シーズンだった昨季は126試合に出場したが、今季は開幕直後に守備で右膝を痛めた影響で、プロ2年目だった95年の69試合を下回る56試合出場、打率・213、2本塁打にとどまった。長年レギュラーとして君臨し続けることが常だった男にとって、苦渋を味わった1年でもあった。

 だが、そのスタイルはあきらめない。「2桁盗塁とか、そういう意欲も持っている。走ることでリズムをつくってきたし」。今オフは瞬発系トレーニングの改善を模索することも明かした。さらなる進化へ歩みは止めない。国内通算200本塁打には王手をかけている。そして、あと317本で到達する日米通算3000安打の金字塔を励みとしている。

 そんなレジェンドに魅せられている現役選手たちは多い。西武からFA宣言した岸は、前日の入団会見で「稼頭央さんはあこがれの人。一緒にプレーできるのが楽しみ」と話した。同年代の仲間たちが続々と現役を退いていく中、ベテランは「若い選手たちにそう言ってもらえるように、1年でも長くプレーしたいと思う」と自らの野球人生を突き進んでいく。

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