高野連、女子マネ問題で意見分かれる 「動ける場を…」「やっぱり危険」

 日本高野連は28日、大阪市内で全体審議委員会を開催。今夏の甲子園練習でユニホームを着用した大分の女子マネジャーが練習補助を行い、大会関係者に制止された事案について参加した20人の委員から意見収集した。

 約1時間にわたって参加した全委員から意見を募った。その中で「完全防備など安全対策を講じた上で甲子園練習に参加するのは大丈夫では」「何とか女子部員、女子マネジャーにそういう動ける場を与えてあげたい。一緒に頑張ってきたんだから」と安全対策を条件に、女子部員の練習補助、参加を容認する声が上がった。

 その一方で「やっぱり危険。現状を知らない人が多すぎる。批判やバッシングがあったけど、それに負けて安全をおろそかにしてはいけない」「甲子園練習の方が同時に何球もボールが動いていて危険」と反対する意見も挙がったという。「意見は半々でした」と竹中事務局長。高野連が行っている調査では、学校管轄内の練習において、ティー打撃の打球が防球ネットの金属部分に当たって跳ね返り、女子マネジャーの目を直撃。その結果、失明に近い状態に陥った。

 他にもノックのボール渡しを行っていた女子マネジャーの顔に、それた送球が直撃。右ほほが陥没骨折した事例など、数件が挙がってきているという。今回は意見収集のみで、具体的な結論や方策は10月末の技術振興委員会や11月の全体審議委員会で議論される見通しだ。

 その上で規定を改定する場合には、11月末の理事会にはかられる。竹中事務局長は「できるだけ方法を模索していきましょう」と各委員に伝えた。それでも安全性の確保に一定の道筋が見えない場合、「現状を変えない可能性も十分にあります」と説明する。

 実際に無条件で甲子園練習への参加を容認する意見はゼロだった。全体審議委員会は各都道府県連盟の会長や事務局長を歴任した委員で構成されている。高校野球の現場を知るだけに、野球経験のない女子マネジャーが同時にいくつものボールが飛び交い、30分の中で慌ただしく動く甲子園練習のグラウンドにいる危険性を認識している。

 今夏の甲子園練習でさまざまな意見が挙がった女子マネジャーの練習参加問題。各学校での練習については学校長の責任と判断になるが、甲子園練習を含む公式戦は日本高野連の管轄、責任となる。生徒の安全を第一に、今後も慎重に議論を重ねていく。

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