東邦・藤嶋がサイクル超え 3度目聖地で打棒復活

 「全国高校野球・1回戦、東邦19-9北陸」(8日、甲子園球場)

 東邦(愛知)は藤嶋健人投手(3年)がサイクル安打越えの大活躍で、北陸(福井)を圧倒した。

 慣れ親しんだ庭を、笑顔で暴れ回った。六回2死二塁。藤嶋の打球が中堅左で弾んだ。単打ならサイクル安打という場面で放ったのは適時二塁打。「『狙え』と言われていたので、意識はありましたけど。いい当たりが打てたのでよかった」。史上6人目の偉業を思わぬ形で逃しても、あっけらかんと喜んだ。

 三回の右中間三塁打を皮切りに、四回は中堅右への特大3ランと、打者一巡後に三塁線を破る適時二塁打。そして、六回の二塁打だ。愛知大会でヒット1本だった4番が、4安打6打点の大爆発。登板はなかったが、大好きな聖地で本来の打棒を取り戻した。

 3度目の甲子園。意識は少し違う。キーワードは「楽しむ」だ。「3年生は最後の夏。楽しもうとした方が、個人にもチームにもいい結果が出る」と話す。1年夏、今春と出場した経験を消化し、たどり着いた結論だ。

 ネット裏のスカウト陣も目を見張った。「勝負強さ、集中力を持っている」と中日・中田スカウト部長。DeNA・吉田スカウト部長も「大きな大会になると打つ。そういう星に生まれているのかな」と舌を巻いた。

 先発全員、毎回の24安打、19得点で初戦突破。藤嶋は「みんなで思う存分、甲子園を楽しんでプレーしたい」と声を弾ませた。重圧などない。最高の、最後の夏が始まった。

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