S山田、連続トリプルスリーは可能だ

 快挙は、成し遂げられるのか-。プロ野球史上初の2年連続、3割30本30盗塁に挑むヤクルト・山田哲人内野手(23)。今季は、昨季同時期と比較してもはるかに上回る好成績を残している。その要因とトリプルスリー達成の可能性に迫った。

 最高のスタートを切った。史上初の2年連続トリプルスリー達成に向けて挑戦している山田。今季42試合の出場で打率・342、12本塁打、10盗塁。昨季同時点の打率・259、6本塁打、5盗塁の成績と比較しても好調ぶりがうかがえる。

 好調の要因は何なのか。山田は「いつも言ってるんですけど、分からないんです」と屈託のない笑みを浮かべて言うが、記者は思考の変化にあると感じている。他球団のマークが厳しくなることが想定された今季。「(球種やコースで)何が多いとか、しっかり頭に入れて準備しようというのはやっています」と山田。マークに対抗するために、相手投手の配球の傾向をこれまで以上に研究するようになった。

 今季も昨季までと同様に試合前のルーティンである10種類以上のティー打撃で、実戦を想定し感覚を養ってきた。この練習に加えて「才能があるから来た球に対応できる」と押尾戦略コーチは説明するが「去年より(配球に)興味を持っている」とも続けた。抜群の身体能力に加え、今季から“ID野球”を本格的に導入した格好だ。

 象徴的だったのは8日の阪神戦(甲子園)。一回に能見の初球、内角直球を完璧に捉え、左翼席に運ぶ2ランを放った。能見の配球の傾向として、右打者の内角直球が多いことは事前に把握していた。「初球から来るとは思わなかった」と球団関係者。だが山田は頭に入っていたデータを生かし、初回の初球から確実に仕留めて結果に結びつけた。

 肉体面も進化した。オフの徹底的なウエートトレーニングの成果が出ている。師匠の杉村チーフ打撃コーチは「(下半身が)でかくなっているから、去年よりボールが飛ぶ」と分析。たくましくなった体も、好成績に直結。同コーチは2年連続トリプルスリー達成について「可能じゃないかな」と目を細める。

 ずばぬけた才能に旺盛な研究心が加わり、努力も怠らない。心技体を磨き、進化を続ける山田。偉業を成し遂げる可能性は高いと感じている。

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