「ＤｅＮＡ６-５阪神」（２２日、横浜）

　手応え十分の一打に、右手人さし指を天に突き上げて一塁に走った。九回２死二塁。ＤｅＮＡ・井手の一打は、右翼線の奥深くまで飛ぶサヨナラ打。仲間からのペットボトルの水を全身に浴び、中畑監督と熱い抱擁。全員で喜びを分かち合った。

　「完璧に捕らえた。切れないと分かった瞬間、（サヨナラを）確信しました」と殊勲の一打を振り返る。代打で登場した七回には２死三塁から同点適時二塁打。「途中出場でおいしいところを持っていって、スタメンに申し訳ない」と笑った。

　中畑監督は「すげーな、おい！もう神がかっているよ。最後の感動をみんなで味わえたのが何よりの幸せ」と興奮が収まらない。それほどの。ミラクル逆転劇だった。三回を終わって０－５。五回、１点をかえしてなお２死一、二塁から、筒香が３試合連続の３ランで夢をつないだ。

　「ランナーをかえそうという思いだった。きょうは４番の仕事ができました」と筒香。中畑監督は「最高の勇気を与えた一発」と賛辞を惜しまない。

　これで今季の２８勝中、半数の１４が逆転勝利。５点差逆転は今季最大得点差だ。そして、９年ぶりの球団タイ記録となる横浜スタジアム１１連勝。「これこそ最高の喜び。ファンと勝ちを分かち合えた」。神がかった勝利に、声を震わせた。