井納完投星でDeNA半世紀ぶりの快挙

 「広島1-2DeNA」(16日、マツダ)

 最後の140球目を投げて、「危ねっ」と思わず口にした。九回2死一、三塁。広島・会沢が放った飛球は、左翼フェンス手前でDeNA・筒香のグラブに収まった。1失点で今季初の完投勝利。「甘かったけど、最後は腕を振って投げられた」。井納はほっと息をついた。

 ここ2試合、不本意な投球が続いた。「悔しかったし、情けなかった」。だがこの日は再三のピンチをしのぎ「粘り強さを出せた。僕、本来のピッチングができた」と喜んだ。

 中畑監督は「いつも空回りしているけど、よく頑張ってくれた」と評価した。「さらしものにする。20点とられても代えない」。試合前にはそうゲキを飛ばしたが、登板過多のリリーフ陣に休養を与える完投に「最後まで、さらしてやった」と表情を緩めた。

 完全アウェーだった。東京発の貸し切り新幹線で訪れた広島ファン1300人に、通常は広島の応援不可のビジターパフォーマンス席を開放され、DeNAファンには300席しか確保されなかった。「オレたちの席をかえせ」という横断幕も出たほどだった。

 ほぼ赤一色のスタジアムで、宇宙人的に空気を読まない投球がもたらした痛快な勝利。7カード連続勝ち越しは、実に64年以来51年ぶり。当時10歳の中畑監督は「まだ蒙古斑が残ってます」と半世紀ぶりの快挙を喜んだ。

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