京大・田中に阪神スカウト7人が熱視線

 「関西学生野球、関学大1‐0京大」(11日、皇子山)

 京大・田中英祐投手(4年・白陵)が関学大戦に先発。阪神スカウト陣が7人体制で視察する中、1失点完投と実力は発揮したが、打線が抑え込まれ、今季5敗目を喫した。

 真骨頂だ。田中の、場合によっては大学最後となるかもしれないマウンド。スタンドにはプロ8球団のスカウトが集結。いろんな思いをのみ込んで、田中は「マウンドでは特段、意識せず普通に」腕を振った。

 あえて注意したのは「バランス。力任せにならないこと」だけだった。球速よりもコンビネーションと制球で、関学大打線に立ち向かった。

 「悔いが残る」と振り返ったのは、六回だ。2死無走者から安打と四球で一、二塁となり、松原に対しカウント2‐2から「フルカウントが嫌、というのが頭をよぎった」と、スライダーが甘く入り、痛恨の右前適時打を許した。

 結局4安打、1失点での完投負け。12日の第2試合も敗れれば、京大のシーズンは終了。最後となるかもしれない田中の投球を、もっとも熱心に見守ったのが、7人体制で臨んだ阪神だ。

 池之上スカウトは「人数はウチが一番でしょう」と冗談めかしながらも「半分以上、変化球。今日を勝つためのベストを選択した頭脳ですね。しかも10試合で9度の登板はすごい」と高評価。

 プロの熱い視線を感じつつも、「あしたは仲間を信じて、何とか第3戦までもっていきたい」と大学最後のカードを笑顔で終わることに集中した。

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