バレ痛快31号 アキレス腱の痛み耐えた
「ヤクルト5‐3阪神」(16日、神宮)
痛みに耐えてのキング追撃弾だ。左アキレスけん痛を抱えながらプレーを続けているヤクルトのバレンティンが本塁打数トップの広島・エルドレッドと2本差に迫る31号ソロを放った。バットが火を噴いたのは4‐3と逆転して迎えた八回。歳内の真ん中低めのフォークにうまく合わせて右翼席へのダメ押し弾とした。
この打席の直前に、闘志あふれるプレーがあった。七回、大和の左翼への飛球に全速力でスライディングキャッチ。しばらくうずくまった後、痛む左足を引きずりながらベンチへ引き揚げた。
小川監督は「本塁打は大きいけど、その前のプレーが大きかった。痛い中で必死に球を捕りに行った」と評価した。捨て身のプレーにも屈せずバットでも仕事を果たし、足をかばいながらベースを回った。
前日には、30日に米国で左アキレスけんの治療を受けることが了承された。渡米日は「近々決まる」とのことだが、規定打席数到達が見込まれる今月下旬になる見通しだ。
バレンティンに残された試合はわずか。逆転での4年連続本塁打王については、「チームがこういう状況でタイトルを取ることは意味がない。来年につなげることを考えたい」と、こだわりはない。だが、「明日2本打てたらいいね」と冗談を飛ばす余裕も見せた。