大谷プロ初完封 158キロで仕留めた

 「日本ハム3-0西武」(13日、函館)

 プロ初完投初完封勝利を飾ると、日本ハム・大谷はマウンドに寄ってくる先輩一人一人に頭を下げた。自己最多の126球を投じ、4勝目を記念星でマーク。昨年の3勝を交流戦前に早くも上回った。

 函館で受ける初めてのヒーローインタビュー。「すごくうれしいです。一年に何度もないのでいい思い出にしたかった。来年もここ(函館)で投げたいと思います」と言い、大きな拍手喝采を受けた。函館はダルビッシュ、斎藤佑ら先輩が初登板でKOされた土地だが、二刀流にはゲンのいいマウンドになった。

 悪条件を克服しての偉業だった。マウンドの土が軟らかく足場が気になった。また瞬間最大16メートルの強風が吹き、初回にバランスを崩してプロ初ボークを犯した。1死一、三塁とピンチを広げたが、浅村を投ゴロ併殺に仕留めて切り抜けた。

 五回2死一、二塁では「木村さんには気持ちを出して投げた」。前回対戦で3打数3安打、10割と打ち込まれた相手に19歳のスイッチが入る。4球目にプロ最速158キロをマークし、一ゴロに仕留めた。外野からホームに吹く追い風も受け、直球に磨きがかかった。

 この日の投球こそ栗山監督が追い求めてきたものだ。花巻東3年の岩手大会準決勝では自己最速160キロを出したが、決勝で敗れて甲子園切符を逃した。「どんなにスピードを出しても負けてはプロでは意味がないんだ」と厳しく言ったこともある指揮官は、まな弟子の殊勲星に「もっと早くやれ。これが普通」と言いながらも頬を緩めた。

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