楽天来春キャンプでミホノブルボン調教

 連覇の秘策は坂路調教だ。楽天の星野仙一監督(66)は28日、来春のキャンプについて「坂道をドンドン走らせる」と、若手を厳しく鍛え上げる考えを明かした。お手本とするのは、スパルタ調教で世代頂点に登り詰めた名馬ミホノブルボンだ。

 闘将の脳裏には1頭の競走馬が浮かんでいた。「昔、競馬でも坂路で鍛えた強いヤツがおったろう」。現在では主流となった坂路調教のパイオニア。周囲の懸念をよそにビシビシと坂路で乗り込まれたブルボンは、92年に短距離血統の不安を吹き飛ばすダービー制覇を果たした。

 「下半身が強くなるのはもちろんだが、坂道を駆け上がる動きはケガをしづらいものなんや」。ことしは幸いにも、太ももなどの肉離れで長期離脱する選手はほとんどいなかった。ただ選手層の薄い現状では、レギュラークラスが1人でも欠けると厳しい戦いを余儀なくされる。故障を予防する意味でも坂路調教は効果的なのだ。1次キャンプを行う沖縄・久米島は、球場から5分も歩けばサトウキビ畑に囲まれた急な坂が姿を見せる。すでに一部選手が取り入れてはいるものの、1クールに1度程度では物足りない。

 星野監督がニヤリと笑う。「バシバシやるで。特に若いヤツはな。投手も野手も関係ない!」。貪欲なまでに戦力を底上げし、常勝軍団の礎を築く。闘将の気持ちは固まった。のどかな風景は、イヌワシ軍団の飛来とともに地獄絵図と化す。

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