九回同点も…則本気迫のロングリリーフ

 「日本シリーズ・第5戦、巨人2‐4楽天」(31日、東京ド)

 第5戦は、楽天・則本昂大投手(22)の力投が光った。先発した第1戦から中4日で、2‐0の六回からロングリリーフ。2点を失って同点にされたが、味方が勝ち越した後の延長十回は気迫で抑えた。2年連続日本一へ後がなくなった巨人・原辰徳監督(55)は「しっかり考えてベストの布陣の中で戦います」と、第6戦を見据えた。

 延長十回。最後は長野を二飛に打ち取ると、則本はありったけの声で叫び、両手でガッツポーズだ。勝利目前の九回に同点にされた悔しさを最後に晴らすことができた分だけ、喜びは大きかった。

 先発・辛島の後を受け六回から2番手で登板。プロ最長となる5回のロングリリーフも3安打2失点。61年ぶりの日本シリーズ第1戦新人先発から中4日。今度は救援で79球の力投で、シリーズ初勝利を挙げた。開口一番「疲れました。(勝てて)ホッとしました。早く寝たいです」。うっすらと笑って答えた。全力で強力打線を抑え、心地よい疲労感が体を駆け巡った。

 自分の“失点”は自分で取り返す。それが星野監督の教えでもある。九回、1死一、三塁のピンチを招いた。前打席でソロ本塁打を浴びた村田との対決。外角スライダーで投ゴロと思われたが、則本のグラブをかすめ二塁後方へ転がった。記録は強襲安打。同点適時打を許し天を仰いだ。

 この回、同点でしのぎベンチに戻ると、仲間からはねぎらいの言葉をかけられたが、星野監督は違った。「自分で責任を取れ」と辛口の猛ゲキ。かつて失点した田中にも言ったことがある言葉だ。

 この言葉に発奮した。十回に味方が勝ち越した。自ら勝ち越しのホームを踏み、名誉挽回のチャンスとなったその裏を3人でピシャリ。「後ろでも使ってくれてるのは信頼されていることでもあるし、うれしい。期待に応えたかった」

 王手をかけて本拠地・仙台へ戻る。第7戦がある場合は再びリリーフ待機となる。新人右腕は「(第6戦は)田中さんが抑えてくれると思う」と言いつつ「何が起こるか分からないのが野球。(投げれば)期待に応えるだけ」。もう1度、チームを救う準備は万端だ。

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