長嶋さん「大きな影響を受けた先輩」

 プロ野球創成期を球界の第一人者として支え、監督として巨人を不滅の9年連続日本一に導いた川上哲治氏が28日午後4時58分、老衰のため東京都稲城市の病院で死去した。93歳。

 巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(77)は30日、「突然の訃報に驚き、戸惑っています。私にとって川上さんは、とてつもなく大きな存在でした」と関係者を通じてコメントした。

 川上氏の現役最終年となった1958年に巨人入団。75年にはV9監督の後を継いでチームを指揮した。「巨人軍の4番打者として、監督として、バトンを受け、その偉大さを感じた毎日でした」。特に75年の監督1年目は最下位で、常に後を追い続けた背中の大きさを実感した。

 80年10月の電撃解任劇をめぐっては、川上氏が故藤田元司氏を後任監督に推薦したことから確執もうわさされた。

 それでも「選手としては赤バットでプロ野球の人気を高め、監督としては勝負にも選手教育にも一切の妥協を許さない厳しさで前人未到のV9に大きな役割を果たされました」と尊敬の念はやまず、「巨人軍、プロ野球のあるべき姿を教わるなど、私自身大きな影響を受けた先輩の1人です」と冥福を祈っていた。

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