日大山形・奥村、親子で刻んだ聖地

 「高校野球・準決勝、前橋育英4-1日大山形」(21日、甲子園)

 父から離れて過ごした3年間。日大山形・奥村展征内野手(3年)の最後の夏は、父と同じベスト4に終わった。日大三(西東京)戦で本塁打を放ち“親子本塁打”を記録。個人としても肩を並べたが「父には、超えられなかった悔しい気持ちを伝えたい」と無念が残った。

 父・伸一さん(45)は85年夏、創部3年目で甲子園に初出場した甲西(滋賀)の2年生捕手として準決勝に進出。奥村は、幼少時から当時のビデオを見て育った。伸一さんは現在、同校の監督。奥村も父の下で野球をするつもりだった。

 そこへ、伸一さんと社会人時代の同僚であった日大山形・荒木監督から勧誘された。参加した練習体験では、監督自らバッティングピッチャーを務める姿に感動。親元を離れることを決めた。

 社会人野球や監督業で多忙だった父と野球談議をする時間はほとんどなかったが、初めて親元を離れたことで電話やメールする機会が増えた。甲子園が開幕してからは、伸一さんが打撃の修正点を指摘。試合後のマッサージに同行してくれるなど寄り添ってくれた。

 伸一さんは、アルプスで息子の勇姿を見守った。「(親子で)並ぶとか超えるとかあるけど、ここに来られて活躍できることが一番幸せなんじゃないかな」。限られた者しか立つことのできない聖地を親子そろって踏みしめた。2人の心に、同じ宝物ができた。

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