キヨシDe3年ぶり9連敗…最下位危機

 「ヤクルト3‐2DeNA」(10日、秋田)

 重たい空気だけが、DeNAベンチを包んだ。延長十一回、押し出し四球でサヨナラ負け。3年ぶりの9連敗で、最下位のヤクルトに0・5差と迫られた。中畑監督は「攻撃的な姿勢で行ってるんだけど、結果がともなわないな…」と、言葉を絞り出した。

 技術だけでなく、精神的な弱さを露呈した。十一回は、5番手の大田がバレンティンに与えた四球をきっかけにストライクが入らず、4四球で押し出し。右腕は「二塁に走者を置いてからヒットも許されない。厳しいところを攻めようとしたんですが、裏目に出ました」と唇をかんだ。

 攻撃では九回2死からブランコが起死回生の32号同点2ラン。勢いがつくかに思われたが、この回はさらにつくった2死一、二塁の好機で多村が三振。十一回、1死一、三塁でも内村が三振に倒れるなど、連敗中の嫌な流れを断ち切ることができなかった。

 移動日の前夜、指揮官は裏方スタッフを引き連れ、秋田市内の比内地鶏専門店に足を運んだ。偶然、居合わせた石川や山崎、荒波ら、チームスタッフ数十人の勘定を自腹で済ませると「頼むぞ!明日は」と猛ゲキを飛ばした。だが、思いは実らなかった。

 「9連敗という現実を受け止めて、明日は食い止めます。必ず食い止めます」。指揮官は2度、自らを鼓舞するように繰り返した。

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