キタサンブラックが2年連続年度代表馬! 満票阻んだ3票はあの馬に
「2017年度JRA賞」の受賞馬選考委員会が9日、東京都港区のJRA六本木本部で行われ、昨年の有馬記念で有終Vを飾ったキタサンブラック(牡6歳、栗東・清水久詞厩舎)が、08&09年ウオッカ以来8年ぶり、史上7頭目となる2年連続での年度代表馬に輝いた。清水久詞調教師は「ありがたい。馬もよく頑張りました。感謝です」とコメント。希代のスターホースにまた、新たな勲章が加わった。
JRA賞の記者投票有資格者は(1)中央競馬の記者クラブに通算3年以上加入(会友を含む)し、当該年に年間を通じて中央競馬の取材を行った者(2)東京競馬新聞協会または日本競馬新聞協会に加盟している競馬専門紙各社が、自社を代表して投票させる者(1社あたり5人)。
有資格者は各部門に推奨する馬、その中から年度代表馬にふさわしいと思う馬を記入。3分の1以上を集め、かつ1位の馬を自動的に選出。この条件を満たす馬がいなかった場合は選考委員の審査に委ねられる。
今回は有資格者の290票のうち287票をキタサンブラックが獲得。自動的に年度代表馬に選出された。残る3票は全て最優秀障害馬のオジュウチョウサンに入っていた。
キタサンブラックのオーナーは言わずと知れた演歌界の大御所・北島三郎氏。その生まれ持った知名度もさることながら、自らの走りでも名声を上げていった。17年はG1だけをターゲットに6戦4勝。昇格した大阪杯の初代王者に輝くと、天皇賞・春連覇に成功。下半期は天皇賞・秋を制し、ラストランとなった年の瀬のグランプリでは圧巻の7冠締めだ。通算獲得賞金はテイエムオペラオーを抜き、JRA歴代1位となる18億7684万3000円に到達。史上最多タイのG1V7で、シンボリルドルフやディープインパクトにも肩を並べた。
2017年を表す漢字は“北”。世相にも少なからず影響を及ぼし、競馬ファンのみならずその名を列島にとどろかしたキタサンブラックを、主戦の武豊は「国民の馬」、北島オーナーは「神様がくれた宝物」と表した。記録にも記憶にも残る走りでつかんだ栄光の数々-。満票に近い年度代表馬決定は当然の成り行きだったのかもしれない。
今後、7冠馬は種牡馬として血統の覇を争う大海原へ飛び出す。7日の引退式で、武豊は「子どもでG1を勝ちます。約束します!」と高らかに宣言。最強のDNAを受け継ぐ2世は、早ければ21年夏にデビューする。
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