「日本のいちばん長い日」ロケ地~舞鶴

 海軍仮庁舎という設定で使われた「舞鶴赤れんがパーク」。国の重要文化財
 うっそうとした中にたたずむ砲台跡
2枚

 “戦争終結のために命をかけた男たち”を描いた映画「日本のいちばん長い日」(原田眞人監督)が大ヒットしている。終わらせるために動く政権中枢と、1億総玉砕を掲げる陸軍若手将校の対立が物語の中心だ。ロケ地は主に関西。京都府舞鶴市にある旧日本海軍の砲台跡や弾薬庫など、本物の戦跡が使われた。訪ねてみると、昼間でもちょっとゾクッする場所だった。

 ◇   ◇

 舞鶴でのロケ地の幾つかは実際の戦跡だ。

 JA京都にのくに舞鶴東営農経済センターに残る弾薬庫跡は、旧日本海軍の施設。赤茶けた鉄製の扉は見るからに重そうだ。開いた瞬間に内部の冷気が体を包む。外気は30度前後。内部の空気は20度を切っているように感じた。

 同映画では陸軍省防空壕(ごう)という設定で使われた。奥行きは130メートル。一言話すたびに声がエコー状に響くため、撮影では音声さんが苦労したそうだ。戦争継続を訴える陸軍若手将校を演じた俳優・松坂桃李はここを訪れた際、「奧に何かがいる」と言ったとか。

 そんな話を聞くと奧まで行くしかないではないか。1人では怖いので7、8人でがやがや話しながら進む。昼間だし大丈夫、大丈夫。とは言い聞かせても明かりは少なく、暗い。一歩、一歩、暗闇の中を進んだその先にあったものは…反対側の扉だった。

 良かった。

 続いて葦谷砲台跡に移動。赤れんが製の古ぼけたたたずまいを一目見た瞬間、「近づくな」と言っているように感じる。ここは日露戦争当時、ロシア海軍が舞鶴湾内まで攻めてきたことを想定してできた施設。結局、軍事施設として使われることは一度もなかったそうで、従って軍人軍属が大量に死んだ事実もないという。地元の人は「なので、ここに出るわけはない」と力説した。

 そうは言っても、真夏の昼間でも1人で来るのには勇気がいる。滞在したのはわずかな時間だが訪問者はほかにおらず、観光地のにぎわいのようなものはまったくなかった。この砲台は映画では「宮城内警備司令所」として使われた。

 1945(昭和20)年8月15日から70年目の8月。70年間も戦争と直接的に無縁だった幸運を実際の戦跡でかみしめた。

 ★アクセス★

 ▼舞鶴への行き方 JR大阪駅から特急に乗って京都経由で約2時間20分。料金は片道4000円(参考)。高速バスでは梅田から直通の場合で約2時間10分。2400円(参考)。

 ▼JA京都にのくに舞鶴東営農経済センター弾薬庫跡 住所・舞鶴市字白屋小字中山

 ▼葦谷砲台跡 住所・舞鶴市字瀬崎 

 ▼旧北吸浄水場 住所・舞鶴市字北吸509。JR東舞鶴駅より徒歩約40分。同駅前より京都交通バスで約10分「自衛隊桟橋前」下車。徒歩約5分。

 ▼舞鶴赤れんがパーク 住所・京都府舞鶴市字北吸1039番地の2 TEL0773・66・1096

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