あったか~く寄り添う
【6月23日】
街から自販機が消えてゆく?そんな特集をこの日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で見た。さすがにゼロになることはないだろうけど、確かに最近ちょっと減った気はする。
番組によれば、飲み物の自販機はこの10年間で50万台ほど少なくなったそうだ。その理由があれこれ語られていたが、それよりも「へぇ~」と思ったのは飲み物の「温冷表記」である。
「あたたかい」ではなく「あったか~い」。「つめたい」ではなく「つめた~い」。そんな自販機をよく見かけるが、なぜ「~」が入っているのか。
専門家曰く「~と伸ばしたほうが、人に寄り添う感じが出る」からだという。そんなこと、よく取材しようと思ったものだ。
「寄り添う」といえば、僕の取材圏でもよく見かける。この日は残念ながら終盤に岩崎優がつかまって逆転負けしたが、そんな日もある。切り替えてPCのキーをたたくわけだが、粘り強く「寄り添った」と感じたのは、先発才木浩人をリードした梅野隆太郎だ。
才木は序盤からフォークボールの精度に苦しんでいるように見えた。再昇格したばかりの梅野は度々「大丈夫」のジェスチャーを交え鼓舞。「尻上がり」を目指して、バッテリーでどんなコミュニケーションを取っていたのか。試合後に確かめてみた。
梅野は言う。
「(フォークを)早いカウントで使っていきながら徐々に良くしていこう、と。調子は良かったか?と言われればそうじゃなかったかもしれないですけど、そんな中でも、やりくりはできていたと思いますし、0で抑えられたことは良かったかなと思います」
才木が迎えた最大のピンチは六回1死一、三塁。岩田幸宏に対し、追い込んでからフォークを連投し空振りを取った。なおも続くピンチでドラフト1位ルーキー松下歩叶に対し、ファウルで粘られながらも最後はフォークで三振。女房役はしっかりワンバンストップし、バッテリーともに拳を握った。
監督の藤川球児は「(才木は)ゲームはしっかり作ってくれました」と語っていたが、それでも、6回でマウンドを降りるのは見ているこちらとしては物足りない。援護点が欲しかったなんて書くまでもないが、1点を守る投球という意味で個人的に興味深かったのは、五回先頭、山野太一へフォークを3球続けて三振を奪ったシーンだ。まるで主軸に対峙する配球のようにも見えたが、そのあたり梅野に聞けば…
「彼、打撃がいいので…。先頭で投手にやられて…という痛い経験も何度もしていますし、そういうところの大切さ。引き締めていこうと、と」
それも「寄り添い」だ。ところで、梅野といえば、才木とのバッテリーでホークス打線に捕まり、登録抹消されて以来のマスクだが、この期間、平田勝男らファームスタッフの「前向きな声かけ」に励まされたという。あったか~い寄り添いを力に変えて帰ってきたからこそ、勝ちたかった。雪辱の機会を楽しみに待ちたい。=敬称略=
